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政権投げ出しと真の国際貢献

 ペシャワール会の伊藤さんの志なかばの非業の死 心から冥福を祈ります。
 九条を持つ国の、他国には決してできない国際貢献とはなにか、中村哲医師を中心に命がけで示して未来への道でもあります。それは、アメリカの戦争を応援することしか頭にない政府と対極の位置にあります。
  軍事貢献による危険の増大を中村医師は「六月になって日本軍(遣検討の報が伝えられるや、身辺に危機を感ずるようになった」と警告していました。また昨年八月には「殺しながら助ける」ことがあり得るか、と日本の軍事貢献を批判してました。

 昨年の「衆議院・イラク人道復興支援特別委員会(07年11月05日)での陳述」で、アフガンで武装解除に取り組んだ伊勢崎賢治氏は「重火器を中心とした武器回収を我々が行ったわけであります。これをなぜ日本ができたか。これは、美しい誤解、つまり、武力を背景にしてごり押しをしない、大変力のある中立な国だというふうにアフガンでは見られているんです。」と指摘し、その誤解が軍事貢献により崩れてることを「大変危険なことだと思います」と指弾していた。
 新テロ特措法の延長を許さず、九条に基づく貢献を真剣に議論することが伊藤さんの遺志に答える道だと思う。
 安倍、福田と続く政権なげだしたことは、アメリカいいなりの政治、外交面でのゆきづまりを示したものだ。ところが政府の頭は硬直したまま・・
給油中断なら「ただ乗り批判が噴出」 外相  日経8/31
「ただ乗り」というがアメリカの国債を100兆円も買い、アメリカの財政を支え、在日米軍の維持に毎年2千数百億円を出し、基地再編に3兆円も出そうとしているのに、それは事実と違うだろう。

 ところで、民主党が提出した新テロ特措法の対案――「アフガン復興支援」を名目に陸上自衛隊のアフガン本土派兵を盛り込み、自衛隊員による武器使用基準を大きく緩和しました。また国連決議がある場合には、米国のアフガン報復戦争と一体である海上阻止活動への参加を検討するとう政府・与党案よりも危険なものだ。一月の国会で自民党によっては継続あつかいされていたが… 公明党が「離反」した今、自民党がこの危険な民主案を丸飲みしないとも限らない。
 ここでも民主党の「政策」が試されている。


【衆議院・イラク人道復興支援特別委員会(07年11月05日)での陳述】
○伊勢崎参考人 皆さん、きょうはこういう場に招かれまして、私、大変個人的に光栄に思っております。どうもありがとうございました。
 私の説明は、お手元のレジュメに沿って行いたいと思います。カラーの図が入っているものでございます。
 私伊勢崎は、二〇〇三年から二〇〇四年まで、日本政府の一応武装解除の方の代表といたしまして、国の一員としてアフガンに駐在しておりました。武装解除のことは、これからまた説明いたします。
 それ以来アフガンには足を踏み入れていないんですけれども、いろいろと国際会議その他で呼ばれることがありまして、ついこの九月、先月であります、冒頭にありますアワー・エンゲージメント・イン・アフガニスタン・インターナショナル・パーラメンタリー・ラウンドテーブル・イン・ベルリンという、これはドイツ政府とカナダ政府が協賛で、アフガンに出兵しているNATOもしくは部分的に非NATO加盟国の国会議員、つまり与党側の国会議員です。反対勢力ではなくて、アフガンの出兵をそのまま維持したい、それぞれの世論と闘いながらアフガンへの貢献を維持したいという国会議員の集まりでありました。それに加えて、アフガニスタンより、内務大臣を中心とした議員団も一緒に参加いたしまして、日本からはなぜか僕だけが招待されて行ったわけであります。
 そのときに、これはクローズド会議でございまして、とにかく密室で言いたいことを言おう、アフガン政策に対して本音をぶつけ合おう、そういう会議だったのでございます。ですから、これはミニッツその他は全然公開されておりません。
 それで、その要点であります。このアフガンにおける最重要課題、特にNATO加盟国がどう考えているかということが以下の三点であります。
 一つが、まず治安問題。これは当たり前でございます。でも、ただの治安問題じゃなくて、土台からの再構築というふうにこれは書いてあります。土台とは何か。これが後で言うSSRもしくはルール・オブ・ロー、法の支配ということなんですけれども。
 特に今、国際部隊の作戦は、大きくOEFとISAF、これは部分的にプラスPRT。
 ISAFというのは、つい最近までカブールだけだったんですけれども、国際社会の要請に応じてカブールの外に出る。これは、PRT、地域復興チームという形で出ていったわけでありますけれども、このマンデートの混乱ということが大変重要な懸念事項になっております。
 OEFというのは、御存じのように、NATOの集団的自衛権から発した、テロリストをせん滅するという戦争でございます。ISAFというのは、どちらかというとブルーヘルメットに近い。国連が指揮権を持っているものではありません、NATOの指揮下でありますからブルーヘルメットではありませんが、一応、国連憲章第七章に準じて国連の承認を得ているということで、これはブルーヘルメットに近いものであります。これはマンデートの混乱ということなんです。
 つまり、NATOの加盟国の中には、この両方の作戦に同時に出している国もあるんですね。これが法的根拠も持っていく武器も全然違う作戦でありまして、目的が違いますので。このマンデートの混乱が特にISAFの方で起こっている。つまり、平和維持目的で行っているのに戦争をやらされている、そういうことですね。それで、議員たちは世論からの突き上げに大変苦労しているわけであります。それをどうするかという話でありますね。
 この象徴的なのは、次に言うコラテラルダメージです。これはISAFもあるんですけれども、ほとんどがOEFです。
 つまり、テロリストのせん滅のためにピンポイント爆撃を行う、その周りの、戦闘員には絶対になり得ない女子、子供が巻き添えになるという、これは今大変な数に上っております。これが、いわゆる国際部隊作戦に対するアフガン世論の反感を買っているわけであります。特に南東部での反感を買うと一般の農民がタリバンの方に寝返ってしまう、そういうジレンマを抱えながらこの国際部隊の作戦は続いているのでございます。コラテラルダメージでございます。
 次に、これもアフガンの今の問題を象徴する問題として、麻薬問題です。
 去年までは約八割の生産高、つまり世界で流通する天然ケシの八割がアフガン産、ことしになってから九三%、九割以上になりました。史上最凶の麻薬国家、これが今、アフガニスタンの現状でございます。
 なぜ、不法である、特にイギリスを初めとしてその取り締まりに力を入れている麻薬対策が失敗して、どんどんこれがふえているのか、これは政治が腐敗しているからでございます。内部の問題でございます。
 その象徴が次のGOLIAGという、これは現地で使われている言葉ですけれども、ガバメント・リンクド・イリーガル・アームド・グループ、これが一番問題なわけであります。
 これに腐敗した警察が加担して、国家レベルで、つまり、どういうことかというと、我々が武装解除として免罪符を与えた元軍閥たち、そのほとんどが今閣僚もしくは政治家になっているわけでございます。これがその地域地域で、不法に武装させた若い者たちを使わせて農民を指導し、脅迫し、麻薬生産に邁進している、これが今の状況なわけであります。
 つまり、国際部隊の作戦というのは、いかに表面的に外国人部隊が戦ってもしようがない、ここの土台の部分が崩れている。やはり、アフガン政府が独自の力、法の支配、ルール・オブ・ローをしっかりしないと国際部隊の作戦までもうまくいかない、そういう状況なわけであります。
 実は、この考え方というのは、二〇〇三年当時、武装解除を始めたときから、アメリカの軍事作戦の一角、これはアメリカの方針です。それが次に言うSSRというアフガンの治安分野改革、つまり、健全な軍、国軍、健全な警察、健全な司法システムをアフガン社会にどうつくるか。このアイデアを出したのはアメリカです。これはアメリカの軍事作戦の一部なんです。アメリカは、当時からSSRをOEFの土台として考えてきたんです。
 そこに、不可避的に非常に貴重な貢献をしたのが日本です。日本が成功させたDDRというのは、これは職業訓練みたいなことに考えがちですけれども、アメリカにとっては軍事的な貢献なんです。極めて必要不可欠な軍事的な貢献なわけであります。
 しかし、このSSRが今崩壊しております。これが二番目の、支援国・コーディネーションの再構築。
 つまり、SSRというのは、アフガンにおいては五つの柱がありまして、その根幹が当時は武装解除だったわけでありますけれども、武装解除だけが成功しちゃったんです。ほかの、国軍もまだまだ、警察は腐敗の温床であります。警察がうまくいかなければ、司法がうまくいくわけがありません。麻薬は元軍閥たちの資金源になります。これもうまくいっていない。そうすると、武装解除だけが成功しちゃったわけであります。
 これは、武装解除としては失敗であります。日本が百億円の血税を投じてやった武装解除は完了しましたが、SSRという中身では失敗です。なぜかというと、力の空白を生んでしまったわけであります。
 武装解除というのは必ず力の空白を生みます。どんな邪悪な武装勢力があろうと、それがある期間、一定、その地方にあることによって、ある程度のパワーバランスが生まれます。そのパワーバランスを崩すんです、武装解除というのは。当時から僕はそれを警告していて、武装解除というのは必ず単独では成功させてはいけないという、それが今できていないわけであります。
 その力の空白の問題というのはどこに向かうか、タリバンなんです。つまり、我々が武装解除したのは、九・一一後の報復攻撃後、タリバン、アルカイダ掃討作戦のために米軍と一緒に地上戦を戦った北部同盟なんです。彼らを武装解除したんです、我々は。ですから、この力の空白が埋まらなければ何が起こるかというと、タリバンは復活します。それが今の状況であります。
 その後で、日本はDIAGというDDRの後継プロジェクトを今やっておりますけれども、これは非常に評判が悪いです。うまくいくわけがないのでございます。なぜかというと、これは内務省、警察を通じてやっていますので、それが腐敗の権化なわけです。うまくいくわけがないわけです。とにかく、今このコーディネーションの中で一番問題となっているのは、警察、内務省改革、これをどうするかという問題です。
 三番目でございます。これがちょっとショッキングだと思うんですけれども、タリバンとの政治的な和解。このクローズドミーティングでは、かなり重要な議題として、けんけんがくがくの議論がありました。テロリストとの和解でございます。
 これは日本では全く報道されませんでしたが、ことしの三月、いわゆる恩赦法、アムネスティーローがアフガン国会を通過いたしました。これはどういうものかというと、すべての戦争犯罪、タリバンを含めてです、すべての戦争犯罪、一般兵からトップリーダーまで、あのオマル師まで含めて、すべてを許すということです。戦争犯罪を問わないということであります。これは、大変に欧米社会にショックを与えました。つまり、あのカルザイ政権がテロリストとの和解のために法的な枠組みをつくってしまったということであります。
 これは、もちろん、今の閣僚の中にはタリバン以上の戦争犯罪をした人間がいますので、彼らの免罪符のためだという側面もあります。と同時に、これはやはり戦争犯罪を扱うものですから、国連を中心にした人権団体が大変警戒感を示しています。でもしかし、不可避的なもの、こういうふうになるだろうという一つのあきらめを伴った、もうこれしかないのではないかということになっております。
 事実、ことしになってから、イギリスは、アフガン戦においては、これは長期戦になる、長期戦と言うというのは、多分十年や二十年では終わらないということですね。新任の防衛大臣が労働党の大会で、これも報道されましたけれども、タリバンとの政治的な和解というのは考えなきゃいけないと言い始めております。アメリカの最重要同盟国のイギリスでさえです。
 もちろん、タリバンが潜伏しているのは、歴史的にトライバルエリアと言われるパキスタンとの国境です。今、反米、反ムシャラフ、反カルザイがタリバンになっちゃっているわけであります。だから、このタリバンとの政治的な和解ということは、対パキスタン政策の側からも同時に考えなきゃいけないという問題であります。
 この三点であります。
 こういう現実の中で日本が何を果たすべきか、これが以下に書いてあるものであります。
 今、小川先生から、対テロ戦を日本独自に主体性を持って考えることが必要であるというのは、これは本当にそのとおりでございます。
 僕は、対米協力という意味でも、日本が主体的にアフガンにおける対テロ戦にかかわるには、やはり、一時期日本がヒーローであったSSRの復活、今は崩れてしまいましたけれども、それを再建、再構築するのが、一番日本が独自性を発揮できて、なおかつ、アメリカが喜び、もちろん、アメリカのだれが喜ぶかということが問題ですよ、ブッシュさんではないと思いますけれども。
 カウンターパートナーだったアメリカ軍の首脳部、彼らは僕らには頭が上がりません。なぜかというと、僕らのおかげで、アメリカが担当している新しい国軍が、今、地上のOEFの作戦で戦っているんです。彼らの死亡者の方が、国際部隊の死亡者よりも多いんです。
 とにかく、再構築をするためには日本の独自性、これは当時、美しい誤解、ビューティフルミスアンダースタンディングとか言われていたんです。これは、日本が言った言葉ではなくて、そういうふうに自然に言われてきたんです。
 最難関プロジェクトであった武装解除が、つまり、みんな武装解除したくないのに、そういうやつらを説得して日本がなぜできたのか。最初はみんな失敗すると思っていたんです。僕らは非武装で、ODAを使ってやりました。それも、口だけです。非武装で、特に北部の方ではまだ巨大軍閥の二つが重火器を使って戦争しているときなんですね。そこに入っていって、停戦させて、それで重火器を中心とした武器回収を我々が行ったわけであります。
 これをなぜ日本ができたか。これは、美しい誤解、つまり、武力を背景にしてごり押しをしない、大変力のある中立な国だというふうにアフガンでは見られているんです。これは、ナイーブかもしれませんけれども、本当です。軍事的にも本当です。あの軍閥たちもそうでした。日本人に対して大変な信頼を向けております。
 この美しい誤解が今、崩れつつあります。なぜかというと、例のテロ特措法によるインド洋の貢献というのは、つい最近までアフガン社会では全く認知されていませんでした。あのカルザイ大統領でさえ、こちらが言うまで知りませんでした。つまり、僕は、当時はうそをついていたわけです。美しい誤解を利用した。つまり、日本はアメリカと軍事的に貢献していますが、それを伏せて、僕らは美しい誤解を使って武装解除をやったわけであります。
 この美しい誤解は、今、崩れつつあります。本当は、テロ特措法はあのまま静かに終えんするのが一番よかったんです。でも、今回、日本が目立たせてしまいまして、今、全員が知ることになっております。これは大変危険なことだと思います。
 とにかく、この美しい誤解を日本の特質と考えて、アメリカの軍事作戦においても日本しかできない貢献の分野と考えて、GOLIAGをターゲットに政治浄化、特に内務省改革、こういうところで現地での政治手腕を発揮するのが僕は一番重要な貢献だと思います。
 それと、タリバンです。これもやはり日本の美しい誤解。タリバンとの交渉というのは、大変にこれから難航をきわめると思います。だけれども、それしか出口がないというのが、今、共通認識なわけでございます。そこに日本が決定的な役割をできると僕は信じております。
 最後ですけれども、人道援助は代替案になるか。代替案というのは、自衛隊を出すかわりに代替案になるか。これは、僕はならないと思います。
 なぜかというと、今、同じ会議に出席したバーネット・ルービンというアメリカの大変高名なアフガン専門家がいるんですけれども、彼の言葉です。最初僕が言った、今アフガニスタンは史上最凶の麻薬国家になっているわけです。彼は、北朝鮮とアフガニスタンを比べました。つまり、世の中に害を及ぼしている国という意味で、北朝鮮と比べたんですね。北朝鮮の方がひどいと言っているわけです。
 どういうことかというと、北朝鮮は閉鎖しております。アフガニスタンは、これだけ国際部隊が入って、国際支援が入って、なおかつ麻薬対策ができないんです。これは多分、人類史上極めてまれな、もしくは経験したことのない政治腐敗が進んでいると考えた方がよろしい。こういう国に対して人道援助というのは一筋縄ではいきません。なぜかというと、北朝鮮に今どんなに飢えた人がいても、素直に人道援助とならないでしょう。それと同じ理屈なんです。
 だからといって、アフガニスタンに今援助をとめるということじゃないですよ。しなきゃいけないんです。でも、やるんだったら、それだけの覚悟をしなきゃいけないということです。それができるのはだれかということであります。やはり中立に見られる第三者が必要であります。
 最後です。補足です。
 今、自衛隊を、インド洋の活動を継続する、もしくは、地上部隊としてISAFもしくはPRTの一環としてアフガンに出す、この考え方は日本国の国益にはならないと私は断言いたします。
 なぜかというと、まず最初は、日本が本当に主体的に対テロ戦のために貢献できる美しい誤解を崩す、これが一番大きな理由。もう一つが、一番下に書いてあります、民間邦人、NGOへの保安の影響、これが大であります。
 皆さん覚えていらっしゃいますでしょうか。鈴木宗男さんのあの事件があった、恫喝事件、ちょっと言葉は選ばなきゃいけませんけれども、二〇〇二年の例の第一回の東京アフガン復興会議ですね。あのときからすべてが始まったわけであります。あのとき以来、日本政府は在外公館も開けない、JICAも危なくて、JICAの職員も送れない、ましてや自衛隊も送れないときに、日本が外交的な顔をつくらなきゃならないといったときに何をしたかというと、公的資金をNGOに託して、NGOを送ったわけです、アフガニスタンに。今NGOとして働いている若者は、自己責任で行ったわけではありません。日の丸を背負ってアフガンに行ったわけであります。
 今、私がもしテロリストだったら、戦略的にこう考えます。次のターゲットは日本人です。日本人はソフトターゲットです。アフガニスタンでは、今までだれも犠牲者は出ていません。これは非常にまれなことです。これはすべてが美しい誤解のためだったとは言いません。それはちょっと暴論です。でも、結果として出ていないんです。
 我々は、危機管理という文化がありません。自己を管理するという文化がありません。ソフトターゲットです。今テロリストがソフトターゲットである日本人をねらえば、一番政治的な効果が上がると思います。それはつまり、日本がみずから目立たせてしまったこのテロ特措法の問題であります。今、日本人をねらえば、最大のブローを、打撃をアメリカに与えられる、僕がテロリストだったらこう考えます。
 最後にもう一度強調したいんですけれども、日本の若者たちは自己責任で行ったわけではありません。
 ありがとうございました。(拍手)
○伊勢崎参考人 美しい誤解というものは、多分美しい誤解だから優しいものだとお思いでしょうが、大変緊迫したものでして、これは脅迫に近いんです。はっきり言って、内政干渉でございます。
 つまり、武装解除といういわゆる社会の通念がないときに、特に我々が武装解除を始めたときは、相手はムジャヒディンですからね、聖戦の戦士ですよ。武士です、戦国時代の。彼らにとって、武器というのは武士の魂なんです。武装解除という言葉を発することでさえタブーだったんですね。その社会通念を変える。これは、広報戦略も含めて我々は戦略的にやったんですけれども、それにも増して、とにかく日本国民の血税である我々の支援金を中立性が確保されないプログラムには使わせないということを我々は迫ったわけであります。
 その一環としてやったのが、当時の一大軍閥に握られていたアフガン政府の国防省、これはアメリカの責任だったんですけれども、アメリカができなかったんです。それを、リシャッフルせよと。国防大臣以下、次官も含めてすべて改革をいたしました。それに六カ月かかったんです。それから我々は始めたんです。これは内政干渉でしょう。相手国の、それも一番強大な一省庁に対して、人事改革をせよと我々は迫ったんです。
 我々は脅迫を受けましたよ、反対勢力から。当時の在カブールの日本大使館なんというのは警備をやっていませんでしたからね。今はやっと警備体制が整いましたけれども、何も警備体制がなかったんです。大使でさえボディーガードがついていなかったんです。こんな警備体制というのは、先進国の大使館の中では唯一でした。その中で我々はやったんです。これは大変な危険を伴う問題でしたけれども、我々は屈しなかったわけであります。その意味で、アメリカは今大変感謝しているんです。彼らがやるべきだった国防省改革、一番ヘッドエーク、頭痛の種だったんですけれども、それを我々がやったわけであります。
 つまり、ソフトパワーというのは、やる方の覚悟と、大変これは脅迫に近い、脅迫という言葉はちょっと強過ぎると思うんですけれども、いい内政干渉といいましょうか、それをしっかりやっていかないと全然成立しない概念であることをつけ加えさせていただきます。

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