学校給食調理の民間委託 「確信犯」
29日、市議会の最終日。高知市は、学校給食調理の民間委託の試行へ、債務負担行為の議案を提出している。
数々の追及のもとで、最後には、高知市は、この事業は、「専門的な技術若しくは専門的な経験を必要とする作業」なので機器の使用、食材の提供について双務契約を結ぶ必要はないと強弁した。
では、労働者供給事業業務取扱要領どのように規定しているか。
企業体として、「学問的な科学知識を有する技術者」「永年の経験と熟練により習得した専門の技能を有するいわゆる職人的技能者」によって行われるものを指している。
「個々の労働者の有する技能、経験をもって足りるような作業」は「専門的な経験」と言えない、としている。
これは、自治労連と厚労省の交渉で、「発注者が指揮命令できるような仕事は専門性があるといえない」と明言したことと一致する。
市議団との勉強会の席で教育委員会は、「法的問題があるなら国があらためるべき」「全国の学校給食の民間委託がストップすることになる」と、個別の指摘には回答不能となって「他がやっているからやる」という、この1年余で「偽装請負」について、社会的に問題となり、改善がもとめられた到達点を無視し、「確信犯」で、教育の場へ違法・脱法行為を持ち込もうとしている。
事故がおこった場合の刑事責任もあいまいだ。
労働者供給事業業務取扱要領(99年11月17日 最終改定2005年3月31日)
労働者供給事業と請負により行われる事業との関係で、こう規定している。
「専門的な技術」については
「当該作業の遂行に必要な専門的な工法上の監督技術、すなわち、通常学問的な科学知識を有する技術者によって行われる技術監督、検査等をいう。」
では「専門的な経験」とは、
「学問的に体系づけられた知識に基づくものではないが、永年の経験と熟練により習得した専門の技能を有するいわゆる職人的技能者が、作業遂行の実際面において発揮する工法上の監督的技能、経験をいう。
例えば、作業の実地指導、仕事の順序、割振、危険防止等についての指揮監督能力がこれであり、単なる労働者の統率ないしは一般的労務管理的技能、経験を意味するものではなく、また、個々の労働者の有する技能、経験をもって足りるような作業は『専門的な経験』を必要とする作業とはいえないものである。 」
「要するに『企画若しくは専門的な技術、若しくは専門的な経験』とは、請負業者として全体的に発揮すべき企画性、技術性、経験を指すのであって、個々の労働者の有する技術又は技能等や業務自体の専門性をいうのではない。そして、当該作業が『企画若しくは専門的な技術、若しくは専門的な経験』を必要とするかどうかの認定は、その作業が単に個々の労働者の技能の集積によって遂行できるものか、また、その請負業者が企業体として、その作業をなし得る能力を持っており、かつ、現実にその技能、経験を発揮して作業について企画し、又は指揮監督しているかどうかについて検討すべきものである。」
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