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『覇権国=米国』の“終わりの始まり”?

 米下院が金融安定化法を否決して株が急落している。
NYダウ最大の下げ、終値777ドル安 下院が金融安定化法案否決 日経
幹部クラスで年収数十億円とかいう莫大な儲けを手にしながら、最後は公的資金で尻拭いされることへの批判が根底にあるようだが、
75兆円での不良資産の買取がうまくいくかどうかも疑問視されていた。
社説2 不良資産買い取りは進むか(9/30) 日経

 米財務省が、安い価格が購入すれば金融機関は、大幅の追加損失を計上しなくてはならない。高い価格での買い取りは、国民が納得しないからだ。
 しかも、住宅価格が低下しづけているもとで、75兆円で足りるのかということも指摘されている。
 ところで不良債権を買い取ったとして、どうして始末していくかだ。金融機関が利益をあげ、その中から徐々に穴埋めできなくてはならない。そのためには金融投機でないなら実態経済の成長が不可欠だ。

 ところが米国経済はものづくりはとっくの昔に空洞化し、「双子の赤字」を抱えている。そのもとで活路を見出したのが金融投機だ。それで儲け、国内の消費を支えてきた。それが破綻したのだ。公的資金の活用にかかわり、規制も強化されることになるだろう。

では次ぎの成長産業はなにか、が見えない。
残るのは農業と軍事産業? 日本は、農産物輸入自由化、軍事費の拡大・・・・で犠牲に巻き込まれるのか。

「戦後最大の危機到来」で賛否分かれるポールソン財務長官の“実力” ダイヤモンドオンライン
 この執筆者の真壁昭夫・信州大学教授(メリル・リンチ社ニューヨーク本社勤務、みずほ総研主席研究員の経歴を持つ)は結びで「問題は、覇権国である米国の最も得意な金融で、米国自身がこけてしまったことだ。今後、米国は厳しい時期を迎えることになるだろう。長い目で見ると、米国の優位性が失われ、覇権国としての力を遺失する過程が始まったとも考えられる。
 それは、『覇権国=米国』の“終わりの始まり”と言えるだろう。その歴史の転換点で、米国の強い金融の象徴の1人であったポールソン氏が、米国一国集中の世界の構図の幕引きを行うことになったかもしれない。なんとも皮肉な巡り合わせだ。」とまとめている。
 
 世界の構造が、イラク戦争と平和をめぐっても、カジノ資本主義という経済をめぐっても破綻し、大転換の時期にきている。くしくも麻生総理が所信表明で「日米同盟=命」のような話をしていたが、世界と歴史の流れに目を見開いた方がよい。

【社説2 不良資産買い取りは進むか 日経9/30】  最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金を活用して不良資産を買い取る内容の米金融安定化法案が週前半にも成立する見通しとなった。成立が遅れれば金融危機が一層深刻化する恐れがあったので、米議会が法案成立で合意したのは朗報だ。ただ実際に不良資産買い取りが進むかは不透明で、なお前途多難である。  公的資金を使った不良資産の買い取りには当初多くの米議員が反対した。リスクの高い投資などに走ったウォール街の金融機関をなぜ助けるのかという不満が噴出したからだ。  このため、不良資産の買い取り制度を利用する金融機関の役員への報酬制限を設けることや、納税者の損失を抑える狙いで、金融機関が手数料を払う仕組みが盛り込まれた。  不良資産の買い取り制度の導入は、米連邦準備理事会(FRB)による問題金融機関への資金供給や、場当たり的な金融機関の救済に比べれば、危機の根源に取り組んだ対応策と言っていい。価値が劣化し、損失を膨らませている不良資産が金融機関の帳簿に載っている限り、金融機関への信認は回復しないからだ。  問題は、この仕組みが実際に活用されるかどうかだ。米財務省は安い価格を提示したところから購入していく考えだが、大幅の追加損失計上を覚悟してまで、金融機関が不良資産売却に動くかは微妙なところだ。かといって高い価格で買い取れば、納税者の負担が膨らんでしまう。  納税者負担を抑えつつ、金融機関に積極的に不良資産を売却させるのは容易なことではない。この矛盾を和らげる仕掛けを何らかの形でつくっていかなければならないだろう。  追加的な損失を迫られる金融機関に対して、公的資金を注入する用意があるのかも重要だ。危機の広がりを受けて、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーは新たな増資に動いた。ただ、金融機関の資本不足が、自助努力により素早い形で解消できるかは疑わしい。金融機関の資本不足がなくならない限り、金融危機の終わりは見えない。  法案成立で息をついているゆとりはない。不良資産買い取り制度を実際に機能させること、公的資金注入など追加策の準備を怠らないことが危機解決へ向けた前提条件になる。

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