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麻生総理の所信表明  歴史認識と「挑発」

 麻生総理の所信表明。逆質問したりルール無視で世間を騒がせているが、所信(信じている事柄。信ずるところ)を露呈したのが 戦前の国を美しい国とするなどの歴史認識だ。また、民主党への「挑発」は、同じ財界中心・アメリカ言いなり政治だからこそ「挑発」になるのであって、政治の中味を変える必要が逆に浮かび上がった。

 所信表明演説 野党の代表質問のようだった 毎日
所信表明演説 小沢民主党代表はどう応じる 読売社説

 麻生氏、「私の前に、56人の総理が列しておいでです。118年になんなんとする、憲政の大河があります。……日本人の、苦難と幸福、哀しみと喜び、あたかもあざなえる縄の如き、連綿たる集積があるのであります」と、戦前戦後を区別せずにのべた。
 敗戦とともに、日本史上はじめて国民主権が確立された。9条により戦争を放棄したなどの歴史の画期がある。それを、「憲政の大河」とひとくくりにし、戦前との断絶を見ようとしない。麻生氏には、女性参政権を「失敗」と評した過去がある。
 「東京で美濃部革新都政が誕生したのは婦人が美濃部スマイルに投票したのであって、婦人に参政権を与えたのが最大の失敗だった」(1983年2月9日、高知県議選の応援演説)

 しかも「かしこくも、御名御璽(ぎょめいぎょじ)をいただき第92代内閣総理大臣に就任いたしました」と首相任命について、天皇の署名・公印を指す公的な呼び名である御名御璽を用いて表現をし、天皇に「任命」されたことを強調した。
 日本国憲法では、天皇は政治への関与を否定され、形式的な任命手続き等が規定されているだけである。「御名御璽」は、国会の開会式の発言とおなじく、憲法の規定がないのにもかかわらず、勝手に、天皇が国権の総攬者であった戦前の形式を持ち込んでいるにすぎない。
 麻生氏は、日本会議国会議員懇談会の元会長・特別顧問として、信ずるところなのだろう。だったら先の国連での演説でも語ったらどうか。まあ、世界は通用しないことは、少しは知っているのだろう。

 民主党をいろいろ挑発していた(下段の所信表明の関連部分は、「たむたむの自民党VS民主党」より)が、それは財界中心・アメリカいいなりという基本がかわらない民主党には「挑発」となっても、それ以上のもではない。

 「ねじれ国会」での民主党の国会運営では、政治の中味はかわらないため審議拒否など論戦をさけ、「対決ポーズ」を演出する点をつかれている。さっさと「解散総選挙」で信を問えば解決することで、麻生氏の話にも理はない。
 補正予算の是非で、民主党の政策の財源論に言及しているが、これも大企業への大盤振る舞いの減税や軍事費にメスを入れられない自民党と同質の民主党の弱点をついたものだ。しかし、国民目線に立てば解決はできる話。
 外交もそう。アフガンに陸上自衛隊を派遣し、武器使用の基準も緩和する対案を出したのが民主党。国民世論の前には、イラク・アフガン支援の給油活動反対をいいながら、アメリカに忠誠を誓い、より危険な対案を出しているという矛盾を突かれたもの。これもアメリカいいなりを脱して、「戦争でテロはなくならない」「アメリカの報復戦争に協力するな」「九条にもとづく外交努力を」という国民の声に沿えば解決できること。
 というのが、「挑発」の本質だ。
 
とにかく「挑発」したのだから、徹底審議が必要だろう。でなければあまりにも姑息なやり方である。 

ちなみに、所信表明は、NYタイムズの指摘をうらづけたことで、外務省の「努力」に水をさしたのでは・・・
 NYタイムズ社説「けんか好きな国粋主義者」に外務省反論 読売
 

所信表明 関連部分 「たむたむの自民党VS民主党」より
①民主党の国会運営
先の国会で、民主党は、自らが勢力を握る参議院において、税制法案を店晒しにしました。その結果、二か月も意思決定がなされませんでした。政局を第一義とし、国民の生活を第二義、第三義とする姿勢に終始したのであります。与野党の論戦と、政策をめぐる攻防は、もとより議会制民主主義が前提とするところです。しかし、合意の形成をあらかじめ拒む議会は、およそその名に値しません。                                「政治とは国民の生活を守るためにある。」民主党の標語であります。議会人たる者、何人も異を唱えぬでありましょう。ならばこそ、今、まさしくその本旨を達するため、合意形成のルールを打ち立てるべきであります。
 民主党に、その用意はあるか。それとも、国会での意思決定を否定し、再び国民の暮らしを第二義とすることで、自らの信条をすら裏切ろうとするのか。国民は、瞳を凝らしているでありましょう。
 本所信において、わたしは、あえて喫緊の課題についてのみ、主張を述べます。その上で、民主党との議論に臨もうとするものであります。

②補正予算への対応など
 民主党に要請します。緊急総合対策実施の裏付けとなる、補正予算。その成立こそは、まさしく焦眉の急であります。検討の上、のめない点があるなら、論拠と共に代表質問でお示しいただきたい。独自の案を提示されるももちろん結構。ただし、財源を明示していただきます。双方の案を突き合わせ、国民の前で競いたいものであります。あわせて、民主党の抵抗によって、一か月分穴があいた地方道路財源を補てんする関連法案を、できるだけ速やかに成立させる必要があります。この法案についての賛否もお伺いします。

③外交・安全保障政策
 民主党に伺います。今後日本の外交は、日米同盟から国連に軸足を移すといった発言が、民主党の幹部諸氏から聞こえてまいります。わたしは、日本国と日本国民の安寧にとって、日米同盟は、今日いささかもその重要性を失わないと考えます。事が国家・世界の安全保障に関わる場合、現在の国連は、少数国の方針で左右され得るなど、国運をそのままゆだね得る状況ではありません。
 日米同盟と、国連と。両者をどう優先劣後させようとしているか。民主党には、日本国民と世界に対し、明確にする責任があると存じます。論拠と共に伺いたいと存じます。
 第二に伺います。海上自衛隊によるインド洋での補給支援活動を、わたしは、我が国が、我が国の国益をかけ、我が国自身のためにしてきたものと考えてきました。テロとの闘いは、まだ到底出口が見えてまいりません。尊い犠牲を出しながら、幾多の国々はアフガニスタンへの関わりを、むしろ増やそうとしております。この時に当たって、国際社会の一員たる日本が、活動から手を引く選択はあり得ません。
 民主党は、それでもいいと考えるのでしょうか。見解を問うものであります。

【社説:所信表明演説 野党の代表質問のようだった 毎日】  まるで野党の代表質問のようだった。29日の麻生太郎首相の所信表明演説は民主党への批判や質問に重きが置かれたものだった。  近づく総選挙。首相の危機感の表れではあろう。だが、本来、所信表明演説は自分の政権が何をしたいのか、広く国民に明らかにするためのものだ。いくら選挙管理内閣であるとはいえ、野党批判の前にきちんと語るべきことがあったはずだ。政権党としてのプライドも捨ててしまったのかと疑うほどだ。  首相は法案審議が進まないのは民主党が政局優先の姿勢だからだと非難した。その一面があるのは否定しない。しかし、今の衆参のねじれは年金問題などにより、自民・公明政権が国民の信頼を失い、昨夏の参院選で自民党が惨敗したことに起因する。それを忘れてもらっては困る。  首相はまた、補正予算案の成立が「焦眉(しょうび)の急」だと力説し、民主党が対案を出すのも結構だとしたうえで、「ただし、財源を明示していただきます」と皮肉っぽく演説した。  民主党の政策に財源の裏付けが乏しいのは確かだ。だが、例えば首相は今年度内に定額減税を実施すると約束したが、その規模や財源は今も定かでない。  突如言い出した後期高齢者医療制度の見直しに関しても、説明不足から「国民をいたずらに混乱させた」と反省の意向を示すと同時に「制度をなくせば解決するものでもない」とも説明。何を見直すのかは方向性さえ明らかにしなかった。これでは「自・公も民主もどっちもどっちだ」と言われても仕方あるまい。  ひたすら民主党に審議を呼びかけた首相だが、与党内では10月3日に代表質問が終了した後、いきなり衆院を解散する案が取りざたされている。既に野党は衆参予算委員会を各2日開くよう提案している。補正予算案の審議もせず解散するのは「委員会を開けばもっとボロが出る」という情けないばかりの与党事情によるものだ。姑息(こそく)な手段はかえって有権者の信頼を失うだろう。  演説に先立ち、首相は福田康夫前首相の政権投げ出しで生まれた政治空白や中山成彬前国土交通相の辞任について陳謝した。おわびするなら、なぜ、閣議決定する演説の本文に盛り込まなかったのか。これも中途半端な印象が残った。  一方、演説冒頭で首相は「かしこくも、御名御璽(ぎょめいぎょじ)をいただき」と異例の表現をし、日本は明治以降、戦前戦後通じて「新総理の任命を、憲法上の手続きにのっとって続けてきた、統治の伝統」があると語った。  現憲法では天皇は国会の指名に基づき、首相を任命する。首相の立場は戦前の明治憲法下とは明らかに違う。これについてどう考えているのか。もっと詳しく歴史的な認識を聞きたいところだ。
【所信表明演説 小沢民主党代表はどう応じる 読売社説】  参院第1党の民主党に質問したり要請したり、挑戦的で、異色の所信表明演説である。  麻生首相は、就任後初の演説で、民主党に対し、自分の「質問」への「答え」を用意して代表質問するよう求めた。衆院解散・総選挙をにらみ、予想される争点について、布石を打つ狙いがあるのだろう。  まるで、「果たし状」のようだが、小沢代表も、申し入れを全く無視するわけにはいくまい。代表質問で、これにどう応じるのかを注目したい。  首相がまず、ただしたのは、衆参ねじれ状況下の国会で、民主党に合意形成のルールを打ち立てる「用意はあるのか」だった。  福田前首相は、通常国会で、野党との協調姿勢を前面に出しながら、民主党に翻弄され続けた。  麻生首相は、前政権の二の舞いは御免、ということだろう。  「成立は焦眉の急」として、補正予算案とその関連法案に対する賛否や、消費者庁創設への対応を明確化するよう求めた。同時に、与野党協議も呼びかけた。  外交・安全保障分野でも、次の2点を質問した。  一つは、民主党は日米同盟と国連のどちらを「優先劣後」させようとしているのか、である。  小沢代表は、かねて「国連中心主義」の考え方に立っている。首相は、日本外交が最重視すべきは「日米同盟の強化」であり、「国運をそのまま委ねられない」のが国連の現実だ、と指摘した。  その二は、海上自衛隊によるインド洋での給油活動を継続する新テロ対策特別措置法改正案の扱いだ。国際社会で果たすべき活動から逃れて「民主党はそれでもいいと考えているのか」と迫った。  いずれも、仮に民主党が政権を取った場合、懸念されている問題だ。小沢代表は、これを払拭する必要があろう。  演説で首相は、緊急課題として「日本経済の立て直し」を挙げ、当面は、景気対策に最優先で取り組む考えを表明した。衆院選を強く意識したものだ。  だが、選挙対策との指摘もある後期高齢者医療制度の見直しについては、「1年をめどに必要な見直しを検討する」と述べただけで終わった。これでは、何をどう見直していくのか、全く不明のままではないか。  首相は、野党の見解をただすという異例の演説をした以上、代表質問に対しては、野党の追及をかわすことなく、誠実に答弁しなければならない。

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小沢党首の民主党も完全に国民から支持はされている訳ではない。これは、今はよくないなの方策も多いからだ。麻生総理も小沢党首にも『私はいいほうに 変わるのだ ぶれたと 言われても』であってほしいが、小沢党首も たまには マスコミでなく 視聴者に 国会質疑以外に 話しかける テレビや携帯サイトで小沢流を伝える携帯サイトが少ないからだ。こう言うことをしたがっているを誰か代弁してあげなくては…みなが 恐怖政治をするのではないか…と 麻生総理と同じく庶民から警戒されていることも、こころに留めて頂きたい

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