くらし直撃! 地方交付税減の概算要求
教育、福祉、介護、地場産業の支援など生活の基盤にかかわる行政は地方が担っており、政府の「生活重視」「安心」の声とは逆に、09年度の地方財源は、住民のくらしを直撃する冷たいものになりそうだ。
08度の地方交付税が7年ぶりに2034億円増となったが(4000億円の地方法人事業税を原資とする地方再生事業費による臨時的措置による)、来年度の概算要求では、約6000億円減となっている。
地方交付税、前年度割れ 09年度概算要求 日経8/24
一方、基金を取り崩す自治体も増えている。07年度末で9.7%減、08年度(前年比)は26.7%減の計画となっている。
39道府県が基金取り崩し 07年度末、財政格差の拡大鮮明 中日新聞8/26
08年度も、交付税が2000億円増えたというが、一方で国保や後期高齢者医療費事業関連費、公債費など使えるお金でない負担が7053億円も増えており、実質は、大きく減額された内容だった。
そもそも交付税は、標準的な行政サービスを実施するためにある。だから地方税収が下がれば、交付税は増える仕組みになっているが、地方税収が下がるもとで交付税減となれば、その全体の枠組みである地方財政計画が大きく縮小する以外にない。
「分娩・妊婦健診を無料化…厚労相が検討」読売8/22
14回の健診を公費助成するという歓迎すべきものだが、5回の時もそうだったように「交付税の計算に参入」するやり方なら、交付税の総額が増えない、減っている時に、「計算に入ってますよ」と言っても、なんの保障にもならない。政府のアドバルーンに地方が他の分野を削って応えているにすぎない。「特定財源」として地方に配分し財源を保障すべきだ。
01~07年度、地方財政計画は5兆4012億円減少し、一方、国の一般会計は82兆6524億円から82兆9088億円と2564億円の増加している。国の借金を地方に押しつけ姿がよく分かる。
96年から13年間連続して地方財源は不足している。これは、地方交付税法第6条の3第2項の規定(引き続き3年以上、交付税総額の1割以上の不足が生じた場合は、地方財政制度の改正か地方交付税率の引き上げ、または地方行政制度の改正を行う)に該当しており、法のとおり、削減された交付税5兆円を復活するのが筋だろう。
ちなみに、防衛省の概算要求は2.2%増の4兆8449億円 「陸自CH47ヘリ」4機追加購入 防衛省が概算要求に 産経8/26
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おやおやおや〜〜まぁ、ほんとですかぁ〜〜これは すごいですね!!概算要求:3兆円増加の86兆1300億円程度に毎日新聞09年度予算の概算要求の一般会計総額が、08年度当初予算に比べて約3兆円増加の86兆1300億円程度となることが26日分かった。高齢化進....... [Read More]
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