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県の教育改革 学校支援地域本部

 県は「教育改革」の目玉として、文科省が今年度から導入する「学校支援地域本部」を中学校毎に設置する方向を明らかにし、7月議会で2545万円の予算を組んだ。
 文科省が説明では、学校の教育活動を支援する社会総がかりの国民運動と説明している。国民が教育活動に参加するのは意義があることだし、多くの心ある人が学校の支援に協力している。が、どうしても教育統制の危険性、安上がりの学校運営という点が見え隠れする。
 具体的によく分析・研究することが大事だと感じている。

 そもそもこの制度は、改悪教基法13条「学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。」の具体化である。
08年度モデル事業として全国1800ヶ所。予算50億円、一校400万円の予算である。 「夜スペ」で有名となった杉並区和田中がモデルと言われている。

まず、文部科学省の説明を聞いてみよう。(「みんなで支える学校 みんなで育てる子ども」-「学校支援地域本部事業」のスタートに当たって- 平成20年7月1日 文部科学省・学校支援地域活性化推進委員会より )

「学校支援地域本部は、学校の教育活動を支援するため、地域住民の学校支援ボランティアなどへの参加をコーディネートするもので、いわば“地域につくられた学校の応援団”と言えます。」
学校支援地域本部は、基本的には、「地域コーディネーター」、「学校支援ボランティア」、「地域教育協議会」から構成されます。
・「地域コーディネーター」
 ボランティアの組織、学校との連絡調整 /元校長、PTA役員経験者が適任。
・「学校支援ボランティア」
支援活動を行う地域住民/例として「授業に補助的に入る、ドリルの採点を行うなど授業の補助や実験、実習の補助等の学習支援活動、部活動の指導、図書の整理や読み聞かせ、グラウンドの整備や芝生の手入れ、花壇や樹木の整備等の校内の環境整備、登下校時等における子どもの安全確保、学校行事の運営支援など…があげられている。
・「地域教育協議会」 方針などについて企画、立案を行う委員会
 そのメンバーであるが・・・
「その構成員は、学校やPTA、コーディネーターやボランティア代表をはじめ、公民館等の社会教育関係者、自治会や商工会議所等地域の関係者などが考えられますが、具体的には、市町村教育委員会がそれぞれの実情を踏まえて判断することになります。」となっている。

 気になるのは「学校支援地域本部は、地域住民の力を学校教育に導入しようとする方策の一つであり、学校評議員や学校運営協議会、学校評価等の「開かれた学校づくり」をめざして近年進められてきた施策と軌を一にしています。例えば、学校評議員や学校運営協議会の委員が、地域教育協議会の委員となったり、地域コーディネーターの役割を担うなど、学校支援地域本部に関わることも考えられます」と説明しているくだりである。

「学校運営協議会」とは「地域の住民や保護者がより主体的に学校の運営に参画することを可能とする」という「理由」で、地教行法が改定され設置することが出来ることになったものであるが、教育課程や人事に対しも大きな権限をもっている。

3、指定学校の校長は、当該指定学校の運営に関して、教育課程の編成その他教育委員会規則で定める事項について基本的な方針を作成し、当該指定学校の学校運営協議会の承認を得なければならない。
5 学校運営協議会は、当該指定学校の職員の採用その他の任用に関する事項について、当該職員の任命権者に対して意見を述べることができる。
6 指定学校の職員の任命権者は、当該職員の任用に当たっては、前項の規定により述べられた意見を尊重するものとする。
 
 この危険な側面について、日本共産党の石井郁子衆院議員が国会で討論をしている(04年05月19日)
「本法案は、総合規制改革会議答申と中教審答申を踏まえ、教育委員会の指定する学校に学校運営協議会を設置するものであります。
 しかし、学校運営協議会の委員は、選挙などによる代表制ではなく、教育委員会が直接任命するもので、教育委員会の進める教育行政の推進役、監視役となる危険性を持っています。
 致命的欠陥として、学校運営に責任を持つ校長や教職員を法文上加えていません。しかも、児童生徒参加については全く考慮されておらず、子どもの権利条約の精神を真っ向から踏みにじるものとなっています。」として、諸外国での校長や教職員、生徒代表も加えており、「世界の流れにも逆行する欠陥法案と言わなくてはなりません」と反対した。

 学校支援地域本部が、そういう教育への介入をもたらす文脈の中で出てきた側面は否定できず、学校運営、支援が保護者から、教育委員会の任命者に変わっている危険性がある。

 一方、国は、先進諸国の中で最低の教育予算でありながら、教員増をせず、40人学級もそのままで、臨時やボランティアで対応しようとしている。
そうした学校支援センターは、すでに各地で工夫されている。昨日の議員学習会でも、「不登校児の援助をしてほしい」とたのまれたが、「考えてみると、何かあった時の責任はどうなるのか。本当に責任をもてるのか」という話になった、との事例が紹介されていた。

 産経新聞でさえ「一見すると良いことずくめの計画ですが、学校支援ボランティアを受け入れる立場の教員には、反対意見も少なくありません。学校外の人間が入ってくると、やってもらう仕事の調整や監督などで、かえって教員の負担が増えるのではないか、というのがその理由です。一方、地域の中で必要な学校支援ボランティアの数が確保できるのか、という不安も残ります。」「学校支援ボランティアが、単なる学校の「下請け」組織になってしまうのではないか」と指摘している。
 
 
 それにしても、教員の多忙化を解消、子どもの貧困の解消の施策・・・そうした土台をしっかりすることが前提である。

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