インド洋海自派遣 反対が48% 日経
インド洋で給油活動に従事する海上自衛隊の派遣を来年1月以降も延長する新テロ対策特別措置法の行方 ……公明党などからも慎重論が出ており、イラクからの空自撤退とならび、アメリカいいなり政治への打撃を与えられる情勢となってきている。
インド洋海自派遣、「打ち切るべき」48% 日経世論調査
法律の期限の1月以降も続けるべきか 「打ち切るべきだ」が48%。「継続すべきだ」は36%。
昨年12月の給油活動の「再開すべきでない」44%、「再開すべきだ」の39%より差が広がった
やはりここは現地で活動するペシャワール会の中村医師の報告 「自立定着村の創設に向けて」(08年6月25日)
を耳を傾けたい。
<無政府状態の拡大>
「07年度は… 過去最も変動の激しい時期であった。欧米軍が約7万名に増派されて戦火は泥沼状態となった。アフガニスタンのほぼ全土で政府の威光は地に落ち、無政府状態が急速に広がった。」「多くの地域で、行政の末端にタリバーン勢力の参加なしに秩序が保たれなくなっている。派手なふれこみで行われた『対テロ戦争』は莫大な浪費の挙句、その破綻は誰の目にも明らかになったと言えよう。餓えた膨大な人々の群れは、もはや沈黙しなくなってきている。破局は目前に迫っていると言ってよい。」
<旱魃の進行と「国際社会」の無知>
「カルザイ大統領自ら『国民の半分が飢えている』と訴えたが、欧米側は徒に軍事力強化を図るに終始し、真剣な取り組みがなされたとは言えない。この食糧不足が容易に暴動に発展し、収拾のつかぬ事態になることは十分予測される。」
<対日感情の動き>
「日本国内で議論が沸騰した『インド洋での後方支援=給油活動』は、幸いほとんど現地で知られておらず、「最大の民生支援国」であることが政府・反政府を問わず、好感を持って迎えられていた。在日アフガン大使も、日本が(アフガンの国土に)兵力を送らぬことを望むと述べている。このことが私たちにとって大きな安全になっていたのは疑いがない。しかし、六月になって「日本軍(Japanese Troop)派遣検討」の報が伝えられるや、身辺に危機を感ずるようになった。余りに現状を知らぬ軽率な政治的判断だったと言わざるを得ない。
日本が兵力を派遣すれば、わがPMS(ペシャワール会医療サービス)は邦人ワーカーの生命を守るために、活動を一時停止する。これまで、少なくともアフガン東部で親日感情をつないできた糸が切れると、自衛隊はもちろん、邦人が攻撃にさらされよう。私たちはアフガン人が「故郷を荒らす日本兵」を攻撃するのを止めることができない。悲しむべきことだが、これが冷厳な現実である。この末期の段階で軍事行動に協力する愚かさの帰結を、身にしみて知ることになろう。」
28日、訪米中のパキスタンのギラニ首相はブッシュ米大統領に対して、「パキスタン領内での米軍の一方的行動には反対だ」と語っている。
破綻した「対テロ戦争」から撤退すべきである。給油活動は年90億円。これをやめれば漁民への直接補填は倍にすることができる。
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