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学力ってなに フィンランドを特集 沖縄タイムス

 「全国学力調査」で「学力の一部」(文部科学省)でしかない点数で下位の順位となったと高知県が「小中学生の学力向上へ緊急プラン」を出している。単元毎の業者テスト、元校長らの指導チームなどである。 
まず、身に付けるべき「学力とは何か」を明確にしないと、方法はてでこない。
 沖縄タイムスの「学力とはなに」特集が、国際学力調査で好成績を収め、平等性と質の高さを両立させた「世界最先端」の教育制度が国際的な注目を集めているフィンランドを精力的にレポートしている。

①「脱落者出さぬ」理念に 少人数で底上げ図る 教育無償、格差なくす
②質の高い教師 養成 現場に裁量 国は不介入
③市場化と競争 否定 平等な教育が国支える
④協働作業生き生き 思考・交流の過程重視
⑤競争的テストなく 長期的視野で深い学び
⑥就学前 遊んで学ぶ 学校へのつなぎに重点
⑦厚い支援 個を尊重 障害に合わせ共生探る

【全体を読んでいたぎたいが印象に残る言葉】
★フィンランド国家教育委員会のラウッカネン参事官「教育を市場化し、競争させれば質が上がるという考えは間違っている。不平等が広がり、学ぶことをあきらめる子どもが増えるだけだ」
★コソネン教諭「低学年の時期から教えすぎて、勉強はつらくて苦しいものと思わせてはいけない」と強調した。「大切なのは、算数は楽しいものだと感じさせること。生涯学び続けるためのスタートなのだから」
★パズマ校長は「教師の質はとても高く、一人一人が教育学の専門家として誇りを持っている。子どもたちをどう教えるかのカリキュラムは各教師の裁量と判断に任されている」
★ラウッカネン参事官「教育内容は教師自身が子どもと向き合ってつくるもの。具体的な教育方法について国が介入することはない。私たちは教員養成の水準に自信を持っており、現場を信頼している」
★フィンランド語教諭ヨケライネン「協働作業の中で、自分の意見を持つ、熟考する、トラブルや分からないことを工夫して解決する、そういう過程の中に大切なものがあると気付かせたい。結果は重視しない。実際の社会では、答えが一つでないことの方が多いでしょ」
★競争的なテストが大きな比重を占めるイギリスで教師経験のあるウーイ教諭。フィンランドの良さについて「上の学校にいくための競争がないので、生徒も親も教師もストレスが少ない。あせらずに、長期的視野で取り組める環境が、より深く学ぶことを可能にしているのではないか」
★就学前教育 シキウさん「知識を覚えさせることは、この時期には重要でない。むしろ逆効果になることもある」「最も大切なのは遊ぶこと。遊びの中で友達と協力し、プランを出し合い、意見の対立を解消する方法を学ぶ。能力を身に付けること以上に、みんなで協力し合うことの大切さを教えている」
★ウーイ教諭 イギリスや米国のような競争的な環境では、障害のある子が不利になるのは避けられない。どんな人間も共に生きていこうとするフィンランドの考え方の方に未来があると信じている」

 教育にカネをかけず、教師の多忙化を放置ししながら、学力調査を通じ、計画、実行、点検、改善という工場生産で使われる、「PDCAサイクル」という管理方法で、学校と教育を統制し、国に都合のよい「子ども」を生産しようとしている。そして、多額の親の教育負担で、親の経済格差が教育格差となる日本の状況・・・・
 
 7月1日の記者会見で尾﨑知事は、教育改革として「学校・学級の改革」「教員の指導力の改革」「幼児教育の改革」「心の教育の改革」「放課後の改革」について語っているが、知事も「ただ、先生方は、いろいろ生活指導などということも含めて、非常に多忙であるということもまた現実であります。この現実を無視してはなりません」と語っているように、ここが最大の問題であり、それを放置しては、様々なシステムを入れると現場の混乱と疲労がひろがるだけである。
 
 昨年の12月議会で、知事は田頭議員の質問に対し「フィンランドのこうした教育の理念や方法については学ぶべき点もあると考えておりますので、積極的に情報の収集をし、本県の教育にも生かせることは生かしてまいりたいと考えております」と答弁している。それが生かされた改革の方針とはなかなか思えないが・・・・

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