成果主義、非正規雇用の改善を 08版労働経済白書
「がんばったものが報われる」とか「自由な働き方ができる」などの美名のもとに導入された成果主義、雇用の流動化が社会の基盤をくづしている・・・ 08年版の労働経済白書は、「反省」をせざるをえなかった。
成果主義は「成功してない」「実際は労務コストの削減が目的だった」、派遣など非正規雇用の拡大が、意欲を低下させ、かえって生産性の上昇を停滞させている、持続的な経済発展にとっても「勤労者生活を充実させ」ることが重要などなど。
「ルールなき資本主義」を抜本的に転換することが必要だ。(グラフは朝日新聞より)
「成果主義の改善を提言 労働白書、働く人の満足度低下」日経
「非正規雇用頼み、生産性の停滞に 労働経済白書」朝日
「労働者、低い満足度 非正規雇用要因と指摘」産経
「労働経済白書 成果主義、見直し必要」中日新聞
「成果主義の運用見直し指摘 08年版労働経済白書」共同
「平成20年版 労働経済の分析-働く人の意識と雇用管理の動向-」
ポイントをみると
【第一章 労働経済の推移と特徴】
・持続的な経済発展に向けて →
「賃金が低下し消費支出も力強さを欠く中で、経済回復を着実なものとし、その成果を雇用の拡大、賃金の上昇、労働時間の短縮へとバランス良く配分することによって勤労者生活を充実させ、持続的な経済発展を実現することが重要」
【第二章 働く人の意識と就業構造】
「正規以外の従業員が増加するとともに、業績成果主義賃金制度も拡大。」「企業の対応は人件費抑制的に視点に傾きがちで、労働者の満足感は長期的に低下」
【第三章 雇用管理の動向と課題】
・産業構造の高度化にむけて→
「着実な労働生産性の向上に裏付けられた所得の拡大と雇用の質の向上が課題。長期的視野に立った計画的な採用、配置、育成を通じて企業に人材を蓄積して行くことで労働生産性と人々の働きがいをともに実現することが重要」
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厚生労働省も考えを変えたのでしょうか。よい傾向です。
今までは「多様な働き方」だの「さらなる規制緩和」だのという現政権の下で、ホワイトカラーエグゼンプションの法案化などにせいを出していましたからね。
このままでは、いっそ第二経済産業省とでも名を変えたほうがよいのではと思っていたくらいです。
Posted by: 七詩 | July 22, 2008 09:52 PM