高知市 行財政改革の「迷走」
先日、高知市行財政改革特別委の報告が市議団会議であった。「迷走」と「不透明」がキーワードと感じた。
不透明・・・
指定管理者制度の選定が各団体の提案内容も「企業秘密」と言ってしめられず、委員会の議事録も公表されず、議会は行政の選定結果に賛否を表明するしかない。これほど「不透明」で「説明責任」を果たしてないものはないが・・・ それにしても迷走している。
・江の口コミュニティプラザの指定管理者・・・地元「主体」の団体が「立ち上げを準備している」と説明する一方で、すでに契約をしている。一方で「公募が原則」と言い、自由民権記念館にも指定管理者を導入しようとしているのに、こちらは最初から運営主体が決まっている。委員からは「同和の随意契約が違法が指摘された。同じ問題ではないか」の声も出たとのこと。指定管理者制度には反対だが、うたい文句は「より機能を高める」・・・だったら公募前の契約はいかにもおかしい。
民間は「イコールフッティング」の競争を言う。だったら情報公開、監査請求・住民訴訟においても行政と同等であるべきと思う。応募主体は、このルールを認めたものだけにすべきである。
・はりまや橋観光バスターミナル・・・収入は5月、4台2860円、6月も同じ。維持費は、委託費1430万。電気料143万円。市の説明は「採算を取る施設ではない」!
学校給食は子どもの健康と文化に直結する施策。このバスターミナルくらいの太っ腹で対応すべきだろう。
かるぽーと・・・ ソフトは、いままで通り公益法人。施設管理は指定管理者に、という案。しかし、2団体が管理にかかわるため、貸館業のシステム変更に600万円いるそうだ。また、民間委託するため行政側の安全管理のチェックの体制を充実させるという。これで本当に安くなるのか・・・ 数字はまったく出てない。しかも、ソフトをうけもと公益法人と舞台装置もふくめたハードを担当する民間業者の間に指揮命令の関係はない。
・福寿園(特別養護ホー人ホーム)の指定管理。そもそも行政が介護ニーズを自らつかみ、市の介護計画に生かしていくという位置づけの施設を、民間委託するのは公的責任の放棄である。
ただ「ワーキングプアをださない」という答弁の一定の反映として、労働条件を報告させる項目を契約に盛り込むようだ(項目の中味が問題だが・・・)
・市民生活サポートセンター ・・・市は「今の団体はよくやっている。能力の蓄積がある」と言いながに公募にするとのこと。前回の指定の時、理事長の給与が高いことが問題になったからだろう。募集は県外含むと「競争性」を強調したが、多分、同じ団体が指定されるだろう。
競争でやればいいには反対している。地域貢献、人材育成など多面的に判断すべきと思う。しかし、そこには透明性と説明責任がきちんとされるべきと思う。
なにせこの「行財政改革」・・・どれだけ削るのか、という「行政目標」がない。財政課は、この計画とリンクせずに財政見通しを立てている。
過去の反省をした上で、何を残し、どこでどう絞るのか・・まったく総合的に考えられていない。ほとんどの案とソーシング化は、経費削減への貢献は微々たるものである。
「迷走」というか・・・ ハコモノと同和という支持母体を残すために、「財政危機」を口実に、公的役割の後退をすすめているのか、現市政と思う。
« 空自、イラクから年内撤収へ | Main | 後期医療「保険料軽減策」の矛盾 格差13倍 »
「高知市政」カテゴリの記事
- 2023年3月 高知市議会メモ(2023.05.15)
- 生活保護 冬季加算「特別基準」(通常額の1.3倍) 高知市「抜かっていた」「速やかに実施」 (2022.12.28)
- パートナーシップ制度 利用可能サービス一覧 高知市(2021.05.28)
- 2021年03月高知市議会の特徴と党議員団の活動(メモ)(2021.04.05)
- マイナカード 個人監視に投入される税金(2021.03.17)
「地方自治」カテゴリの記事
- 2023年5月地方議員学習交流会資料(2023.05.09)
- 政策メモ 2023年3.4月(2023.05.08)
- 23政府予算案 調査・課題について 追加メモ(2023.03.02)
- 23年度予算の焦点 メモ(2023.02.20)
- 2023.2 地方議員学習交流会・資料(2023.02.20)
「公務の民営化」カテゴリの記事
- PFI事業 検証した27件全部で割高 会計検査院(2021.05.19)
- 「スマート自治体構想」と公務労働 (メモ)(2020.03.29)
- 日本郵政の迷走は「民営化」という構造改悪の結果(2019.10.22)
- シルバー人材センターによる公務職場の置換え・・・会計年度任用の本格導入を前に(2019.10.08)
- 大学入学共通テストの英語民間試験 「延期」と「制度見直し」を要望 全国高校校長協会(2019.09.13)
「行政改革」カテゴリの記事
- ポストコロナ政策 政府・財界が狙う「地方制度改革」の倒錯(メモ)(2020.09.29)
- 自治体の公共事業予算 年度内に使えなかった1兆9000億円~深刻な職員不足(2019.12.25)
- 人生の墓場・やりがい搾取…厚労省若手チームの調査・提言…が、安倍政権は「定数減」推進を見直さず(2019.09.03)
- 地方公務員5人に1人が非正規・ワーキングプア~元凶は自公政府(2018.11.08)
- 臨時職員問題と公務の効率性 ~ 県内の実態から(2015.09.02)
Comments