高齢者医療・臨時議会 意見書の行方は?
7月16日に政府の見直し策を具体化するため、高知県後期高齢者医療広域連合議会の臨時議会が開催される。2時~、高知城ホール。
当日の議会に、和田議員(日本共産党、土佐町議)と大石議員(本山町議)が後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書を提出する予定となっているが・・・
①臨時議会であるため、執行部提出の議案以外は、「緊急性がある」と全員協議会で認められないと議題にならない。
②意見書可決には、5名の賛成が必要。
当初、議会開始前に、意見書の取扱を議論してもらうよう要請していたが、執行部提出議案の審議後の議論となった。
意見書可決へ、各議員に声を集中しよう!(下記に議員名、決議案)
【広域連合議員】
澤田 五十六 四万十市長
今西 芳彦 本山町長
上治 堂司 馬路村長
岡崎 洋一郎 高知市議会議員
中澤 愛水 香美市議会議員
仲田 強 土佐清水市議会議員
和田 賢二 土佐町議会議員
大石 哲雄 本山町議会議員
松本 正 田野町町議会議員
有澤 明男 中土佐町議会議員
【後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書(案)】
2006年6月の医療制度改革関連法の成立により本年4月から実施されている後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者と65歳以上75歳未満で一定の障害のある者を他の保険から切り離した医療制度となっている。
この制度は,75歳以上のすべての高齢者が現在加入している国民健康保険やその他の健康保険から脱退させられ,この高齢者だけの独立保険に組み入れられ,収入がない人でも,これまで家族に扶養され保険料の負担がなかった人でも,多くの後期高齢者が過酷な保険料を求められる。しかも年金から天引きでいや応なしに徴収され,保険料は2年ごとの見直しで,75歳以上の医療費や人口がふえるに従って引き上げられる。団塊の世代が75歳になったとき,保険料は2倍以上になるという試算もされている。保険料を払えない高齢者は,保険証を取り上げられる。
さらには,医療内容も必要な検査や治療が受けにくくなったり,入院,「終末期医療」まで別建ての診療報酬が導入され,差別医療が押しつけられる。
この制度導入に当たり,政府は医療費の削減を最大の目的に掲げ,75歳以上の人は「複数の病気にかかり,治療が長期化する」「認知症の人が多い」「この制度の中でいずれ避けることのできない死を迎えることとなる」という「高齢者の心身の特性」を挙げている。医療費削減のための高齢者差別は許せない。
政府の見直し策は極めて部分的なもので、国民健康保険から後期高齢者医療制度に移った人のうち、保険料負担が3月までの国保の負担よりも下がる人は、約65万人で全体の5%にし
かならないことを厚生労働省も認めている。
各種マスコミの調査では、後期高齢者医療制度を廃止する声が、政府の見直し策を評価する声を大きく上回り、参議院では廃止法案が可決し、衆議院で継続審査となっている。
そもそも病気になりがちな高齢者の医療については、長年の社会貢献にふさわしく国と自治体が財政負担し、高齢者が安心して必要な医療を受けられるようにすべきである。このことは、ヨーロッパ諸国では常識であり、高齢者に高負担と差別医療を押しつけている国はどこにもない。憲法25条の生存権、憲法14条の「法の下の平等」を踏みにじる「高齢者差別」は、撤廃するしか解決の道はない。
よって、国においては、いつでも誰でもどこでも平等に医療が受けられる持続可能な医療制度を実現するため、後期高齢者医療制度に関し、単に運用の見直しにとどまらず、次の事項について早急に実施するよう強く要請する。
記
1.2009年4月1日に後期高齢者医療制度を廃止し、喫緊の措置として従来の老人保健制度に戻すこと。
2.保険料の徴収について、遅くとも本年10月1日までに、年金からの天引きによらないものとすること。65歳以上の国民健康保険料の徴収についても、年金からの天引きによらないものとすること。
3.被扶養者からの保険料徴収は廃止までの間凍結するとともに、被扶養者以外の保険料についても本年10月1日から軽減を図ること。
4.70歳から74歳までの窓口負担を来年4月以降も引き続き1割とすること。
5.上記の措置を講じるに当たっては、地方公共団体及び保険者の負担をできる限り軽減するよう配慮するとともに、国民の間に混乱が生じることのないよう周知徹底等に万全を期すこと。
« 消費税上げ 反対増加 | Main | 原子力空母配備反対 3万人が結集 »
「高知県政」カテゴリの記事
- 1月の日米防災訓練、自衛隊「南海レスキュー」への対応・考(2024.12.11)
- 高額療養費、年金、高等教育、中山間地直接支払、周産期医療、学校給食 意見書案 2412(2024.12.08)
- 2024.11地方議員学習交流会・資料(2024.12.02)
- 24年9月 意見書決議・私案 「選択的夫婦別姓」「女性差別撤廃・選択議定書」(2024.09.05)
- 24年9月議会に向けて 意見書・私案1(2024.08.31)
「医療・介護」カテゴリの記事
- 「高額療養費」の改悪 国民負担増で、国・企業の負担減(2025.01.08)
- 高額療養費、年金、高等教育、中山間地直接支払、周産期医療、学校給食 意見書案 2412(2024.12.08)
- 悪徳業者の手口!「脅し」でマイナ保険証の押し付け /正確な情報で対抗を(2024.05.10)
- 地消地産、医療介護福祉 産業政策で党県議団の提案生きる(2024.05.09)
- 国保料水準の統一にむけた条例改定 「手続き的にも内容的にも県民不在」と反対討論(2023.12.28)
Comments