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生活の安定・安心こそ 社会保障国民会議の議論

 基礎年金を消費税でまかなった場合の試算を出したりしている「社会保障国民会議」だが、中の議論はおもしろい。(社会保障、少子化対策など2つの分化会の最新の議事録がアップされている。)
 「国民所得からみて給付水準は諸外国とくらべ高いといえない」ということが共通認識になったり、全体の座長の吉川氏が「日本の国民の中でアメリカのような医療制度のほうにもっていこうと考えている人はほとんどいないのではないか」と語ったりしている。
 また、宮古市長、徳島県知事を迎えた分化会では、先進国並みに社会保障を増やすべきだということ、教育や医療は私的な部分から外し、格差を作らない形すすめるというこがなかなか語られている。これら全体として、貧困と格差の拡大、国民の意識、情勢の変化を受けてのことだろう。

◆サービス保障(医療・介護・福祉)分科会(第4回、5月20日)
○権丈委員(慶應義塾大学商学部教授 )が
「日本のように皆保険をやっているところは家計所得においても平等に医療費が消費されていくと。だけれども、アメリカのようにパブリックが少なくてプライベートの依存が高くなってくると、これが所得階層ごとに階層化していく」と公的医療の必要性を主張、これが吉川氏の「アメリカ型の医療を日本国民は望んでない」の発言とつながる。
 
そして「吉川委員のおっしゃるように公的医療費の割合を考えるのは大切である」「GDPに占める公的医療費の割合というのは日本は低い。この6.6%を仮にスウェーデン並みに7.7%の公的医療費にしようとすると5兆かかります。そして、ドイツ並みにするとすると7.5兆、フランス並みにすると10兆かかります。」と公的部分の拡大を主張。

○今田委員 東京工業大学大学院社会理工学研究科教授
「受益者負担の原則だと弱者にきびしすぎる結果になり、社会保障制度にはあまりむいていない。要するに、市場化するということは受益者負担になるので、医療費に関して市場化を強く推進するのはおかしい一般の国民は思うでしょう。それだったら社会保障じゃないと思う。」
と受益者負担論を批判。

◆持続可能な社会の構築(少子化・仕事と生活の調和)分科会(第4回、5月21日)
では・・・そうした流れの中、宮古市長が、少子化対策には、生活の安定、雇用の安定など安心できる社会が必要だなど、なかなか語られている。

○熊坂委員(宮古市長)
この分科会には前にもお話ししましたけれども、相当の覚悟で来ているというお話をいたしました。それは坂口厚生労働大臣のときに、奥山委員もそうですが、委員としてかなり頑張って提言したのですが、この間ほとんど変わっていないんですね。」と政府のこれまでの会議があり方を批判し・・
「ですから、政治の決断をというお話をしましたけれども、先ほど権丈先生が話された社会保障全体に占める家族関係社会支出の状況で日本は対GDP比約4%です。私は医者ですのでいいますと、医療も約8%で、G7中最低ということです。こういったところを変えていかないと絶対に変わらないと思います。ですから、この分科会におきましては、社会保障国民会議が非常に注目されておりますので、増やした結果、国が潰れたり、企業がおかしくなるというのでは難しいですけれども、そういうところも考えながらどこまで増やすべきかという議論をやるべきだと思います。
権丈先生がお話しされたような方向でまとめていかないと、また同じ金太郎飴みたいな報告になって、何のための会議だったのかということになるのではないかと非常に懸念しております
○飯泉委員(徳島県知事)
「 私も同感であります。」
 と抜本的な拡大を求めている。 

○権丈委員 
「先ほど熊坂委員から報告があったときに、少子化対策で格差は要らないというページはどこかにありましたね、要するに私的に払ってもらいまして、支払い能力に応じて使っていいですよとするとなると、これは格差が生まれます。格差がないように、医療に関しても教育に関しても格差がないようにするためには、その私的な部分から外さなければいけないんです。市場から外さなければいけなくなります。」

○熊野委員
「宮古市も相当手厚い子育て支援をやっているんですが、これは非常に疑問である。お金では計れないもの、何か必要なのではないか。それを考えますと少子化対策の根本は社会や家庭の安心感、幸福感ではないのかということに行き着くような気がいたします。
安心感につなげる改革、ここから提案になりますが、生活の安定が安心感の大前提でありまして、これは雇用の安定、所得の安定、それからゆとりある雇用条件、これが家庭の安定に結びつく、それから仕組みが分かると、いざというときに安心して、子どもを産んでも大丈夫だという、そういう制度が目に見えて分かっているという安心感が大切だと周りのいろいろ子育てしている方を見ても、自分も大丈夫だと思える仕組みが分かるという安心感ですね。それから、自分の存在への安心感、そして幸福感、子どもに対する純粋な気持ちを引き出す」

 格差と貧困をなくし、生活の安心と安定がないと、少子化対策はすすまない・・との宮古市長の言葉は、至言である。

 とにかく、なかなか勉強になる論点や資料が提供される会議である。

 また、国言いなりの愛媛県の加戸知事が
「いろいろな形で国が骨太方針等々で制度改正をし、あるいは社会保障を切り詰め、ポンと市町村と都道府県に請求書を送ってしまえば結果として国の予算の帳尻は合うんです。でもそうすると、こちらは財源が不足している中で全部まかなわなきゃいけない。この仕組みは地方にとっての大きな悩みで、今までは歯を食いしばってやってきましたけれども、これ以上はもう切り込むところがなくなった。それが正直な思いであります」
 と語ってる。そういう人にまで見放されているのが、国の政治だ。

 

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