原油高騰で休漁
小型イカ釣り漁船が今月18、19日と一斉休業する。遠洋マグロ漁の業界団体なども休漁する方針という。漁船の燃料となるA重油がこの5年間で2.4倍となり、操業しても赤字になるからだ。高知でも、漁師が、「漁にでるより安い」と、スーパーで魚を買っているという話しがある。
ところが、19年度水産白書は、「輸入ばかりにたよっていられない」と警告を発している
国連食糧農業機関(FAO)の、世界的な水産物の需要増加により供給量が急激に拡大する一方、「今後大幅な生産増加は見込めないため、需給ギャップが拡大する」との報告をひいて、「国際価格が上昇した結果、国際市場において、我が国の輸入業者が望む価格で購入できない事態(いわゆる「買い負け」)も起きています。もはや輸入に頼ってばかりはいられない情勢となっています。」と記述している。
農業でも、昨年、コメ一俵の平均価格は14826円。生産費は16824円となり、つくれば赤字の状況が生まれている。燃料だけでなく、肥料やハウスの資材などが高騰し、生産放棄が加速度的にひろがるのではないか・・・・。養鶏、酪農の廃業も急増している。タイでは、水牛耕が復活している(農業情報研究所より)。
現在の食料生産は、石油によって支えられていることをあらためて痛感する。
食料が「カネさえ出せば買える」時代が終焉する中、きちんとした価格保障などの対策とともに、キューバの有機農業の成功例が注目されるなど、現在の生産方法自体が問い直される状況となっている。
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