県立大改革の方向性と図書館の行方
県が13日、県立大の改革の方向性を議員団に説明した。
看護・福祉関係を池キャンパスにまとめる。永国寺は社会人教育を主にしたゾーンとする。 つまり「男女共学」「文化学部移転」「短大廃止」というこれまで構想推進のネックとなっていた問題を棚上げし、現時点で妥当な方向性を示したものといえる。もう一つ気になるのは県立図書館の行方・・・
大学改革の方向性は、1つは、看護、介護など医療・福祉部門を医療センターと近い池キャンパスに移転することを優先するとともに、教養部門の教育を池キャンパスで行えるようにし、2キャンパスの不便を解消する。
2つめは、永国寺キャンパスを主に社会人教育、生涯教育機能の強化にむけたことだ。新たな社会科学系学部を設置(不確かだった場所が明確となった)、短大は当面存続する。そして工科大や高知大のサテライトや複数の大学が共同で学部をつくることもできることから、様々な選択肢ができる。少子化の今、社会人に重きをおく方向性は妥当も思う。
関連するが、工科大学は公立大学法人化することで、産業・技術の拠点としていちづける。ということになる。
女子大は、これまでも女子大としてのブランドを大事にしており、「男女共学」というテーマはすっきりしなかった。が、今回の方向性は、女子大は、池キャンパスで完結する運営が可能になることで、「文化学部」の切り離しが可能になったのでないかということ。つまり、女子大として池キャンパスで存続し、文化学部は、永国寺のあらたな構想の中に(当然、男女共学)吸収されていくのでは・・と思う。
すると、永国寺キャンパスの運営主体はどうなるのか、女子大か、それとも公立化した工科大が統合するのか、新たな共同設置となるのか、1法人で複数大学という設置のあり方となるのか・・・ そういうことが議論となっていく。
もう一つは、県立図書館の問題。建て替えが必要となっているが、位置が決まってない。県の図書館の公文書保管、歴史・文化財の収集・研究など広い意味で地域づくりの拠点の機能がもとめられ、それは永国寺キャンパスに求められる大学の機能ともシンクロする部分が多い。
以前から私たちが考えていたような大学図書館と県立図書館の機能の統合というのは、より現実味を帯びたのではないか。
県立図書館については、県と高知市の間で合築という話がつづいているが、追手前小学校跡地の計画は、市は、第三セクターによる商業施設などとも含めた開発事業の1つとなる。県が合築にのると、行く先の不透明な第三セクターにかかわるというリスクを負うこととなる。そういう選択をするとは思えない。
以上は、あくまで推測だが・・・ とにかく道路に県レベルで毎年、数百億円という莫大な金をかけることを思えば、教育機関、人材育成へのきちんと投資することは必要だ。
ちなみに「工科大が倒産するから県にすくってもらう」見たいな話があるが、まったく不正確で議論を混乱させるだけだ。公立化すれば、国からのお金が、私学助成10億円から交付税交付金33-38億円と大きく増える。これはシステムの問題。また、外部資金の獲得での実績もあり、教官1人あたりの生徒数は、今の県立大より多いという経営努力もしており、公立化した時点では、経営基盤は、今の県立大よりも強いと言えるのではないかと思う。
まあ、大きく言えば「民から公へ」という流れであり、興味深い事例である。
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