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農業シンポ 紙議員と高知の生姜

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5月31日のシンポジウム。地元南国の副市長さんが「(日本共産党の)再生プランは支持できる。農業の再生なしに高知県の未来ない」、JA南国市の常務理事さんは「食料の世界的な不足もある。自給率の向上も重要。農家の所得の確保が大変重要だ。最大のピンチをチャンスに変えていきたい。」と歓迎のあいさつ。香美市長、南国市農業委員会会長、四万十町議会議長からもメッセージが寄せられるなど、県下各地から350名が参加。幅広い方々が農業再生へ力をあわせよう、という会になりました。
 そこでの
「紙智子参院異議員の報告とまとめの発言」
「県園芸連代表理事専務の報告」
を紹介します(大要、文責は当ブログ)。
北海道生まれの紙さんと高知には、ショウガでのつながりがありました。

◆紙智子・参院議員 「日本共産党の農業再生プラン」の報告
 参議院議員の紙智子です。本当にたくさんのみなさんにお集まりいただき、ありがとうごさいます。秋田で志位委員長が行って開いたシンポでは、会場はいりきれず第二会場用意しました。島根でも用意した資料がたりなくなった。今、食料と農業が大きな関心事となっています。
 少し自己紹介します。出身は北海道、農家の娘。祖父母、両親、4人兄弟の8人で家族農業に取り組んでいました。子どものころから稲刈り、田植えと手伝ってきました。01年の参院選で当選させていただき8年間、農林水産委員会に所属してきました。私は冷え性で、高知の生姜をスライスし蜂蜜につけこみ、毎日、お湯でわって飲んでいます。冷え性もなくなり、身体の調子もよい。高知は候補時代に1度きたきりですが、そういうご縁があります。今日は、高知の事を学んで帰りたいと思います。
 3月7日に「農業再生プラン」を出してまもなく3ヶ月です。この間、国際的な農業と食料めぐる状況は、激変してきている。この提案している方向でかわってきてるんじゃないかと実感してる。先ほど話のあったように「ピンチをチャンスに」という時だと思う。
 例えば、飼料米。昨年、農水委で、「自給率を上げるには飼料の自給率を上げないとあがっていかない。飼料米を耕作放棄地で生産することが大事じゃないか」と質問をした。そのときに「ペイしない」「実験的にやっている。コメで育てた鶏や豚が評判がいい」とその程度。まだピンときてなかった。それが見る見る状況が変わって、飼料米を本格的にやろうとなった。
 ミニマムアクセス米。いま77万トン毎年買っている。日本共産党は「やめるべきだ。国内で減反させながら輸入するのはおかしい」とずっと言ってきた。しかし政府は「輸入は義務だ」といってきた。これもずっと批判してきたが、ここに来て、みんなが「止めたほうがいい」と言いだした。いま国際的なコメ価格が異常なあがりかた。たぶん投機。フィリピンでも高すぎてコメが手にはいらない。コメ不足で食べられない人がいるなかで、日本がコメを買うのは、ますますコメ不足に拍車をかける。そういうことはやめたほうがいい、というのが多くの声になってきている。先日、「止めたほうがいい」と質問したら、その後、民主党も「当分の間、やめたほうがいい」といい、日本農業新聞も「止めるべきだ」といっている。アメリカも「援助米として外国にまわすことは奨励する」と言っている。そういう方向に、プランの内容に情勢が近づいてきている。
 再生プランの最大のカナメは、食料自給率がカロリーで39%、穀物は28%、これをどう立て直し、引上げるかにある。とりあえず50%に引上げることを国政の最優先課題として真剣にとりくんでいこうということ。
それが、国際情勢のなかで求められている。世界の飢餓人口は8億人。サミットで2015年までに半減しようと決めたが、逆に増えている。輸出停止の動きも広がっている。食料はいつでも買える時代じゃなくなっている。
財界は日本の農業は競争力がない、大規模化しないといけないといってきたがそれはちがう。日本の農業は世界の中でもきわめて高い技術も生産力ももっている。そこに依拠していけばやっていける。
 この提言の第一の売りは、提言の1。価格制度の提案。農産物の価格がどんどん下がり続けてきた。主食のコメもコメだけやっていたら赤字。そこへ燃料費あがり、資材も上がり飼料もあがった。ぎりぎりのところで歯をくいしばってやっている。何が一番求められているかというと、来年も再来年も作り続けられるようにする価格政策。
価格保障・所得保障を抜本的に拡充する。生産コストをカバーする価格保障。販売価格を一定の水準で維持し、販売量がふえれば収入もふえる、生産意欲にもつながる制度。イギリスも各国もやってる。これをとりいれる。あわせて販売量にかかわらない所得補償。いまの中山間地域への所得補償をもっと広げる。そして、安全な食料をつくるために努力している人を評価する。与党は「WTO協定で、価格政策を減らすことが合意されてるからやれない」という。しかしWTOは各国にある程度の価格保障は認めている。諸外国はその枠を使っている。アメリカも70数%使っているが、日本は18%ぐらいの実績しかない。農水省も「理論的には可能」と答えてる。それをやっても非難されることはない。アメリカも不足払い制度(政府が決めた基準価格と販売価格の差を保障する制度)を復活している。
昨年、コメ一俵の平均価格は14826円。生産費は16874円。みんな赤字になる。労働報酬に換算すると1時間256円。あまりにも低すぎる。最賃の3分の1程度。これでは後継者生まれないのは当然。過去3年を平均すると1万7000円。提案は、そこから下がった分を保障する。また、所得補償として、10アール1万円、一俵あたり1000円を補填する。とにかく一息つける。滋賀県では「うちは1万9000円ないやっていけない」と言っていた。そこは柔軟に対応しないといけないと思うが。大豆や麦・畜産・果実も同じような考え方でやっていこうということ。  その費用は9000億円くらい。現在の農業予算2兆6000億円、うち価格保障に5000億円使っている。あと4000億円上乗せすればできる。イージス艦3隻分でできる。
 もうひとつの売りは提言の4。農業者と消費者の共同をひろげ、国民みんなが自分の問題としてとらえるようにする。「安けりゃいい」と輸入に動いてきた。その結果、ほとんど輸入にたより、中国のギョーザ事件が起こった。加工品が氾濫している。何が入ってるか分からない。国内でつくった安全安心なものじゃないといけない、自給率高めないといけないと思いはじめている。地産地消、食の安全を重視した地域づくりにとりくむ自治体が増えている。地元の資源、特産物を生かし、地域の雇用も拡大する。これが大事。効率一辺倒じゃなくて、食生活を見直していく。消費者と生産者が共同した取り組みが必要と思う。
 検査体制の問題。体制強化をしないといけない。10年で輸入は3倍に増えているが、検査する人は微増。341人しかいない。冷凍された肉を砕き、遠心分離機にかけ、検査するが3日かかる。抜き取り調査は10%、9割は素通り。せめて50%ぐらいは検査できるよう10倍ぐらいの体制にしないといけない。3000人体制にいるのは300億円。自衛隊は30万人で二兆円。食品テロがあったらどうなるか。食品の安全のために体制とるのは国民にとって納得できると思う。
 二つ目の提言は担い手の問題。家族農業を基本にすると言ってきた。しかし、大規模経営もがんばらないと大変、耕作出来なくなった農地を請け負って支えている。また、新規就農者に月15万円の生活保障をし、担い手を増やす。先日、日本共産党の居ない委員会で参考人の農業問題の先生が「共産党さんの提言、こういうことをやらないとダメ。」と発言していた。食料主権については、あとで触れたい。農業の再生に、力をあわせていきたい

◆安全・安心の日本の食料――国産国消を    高知県園芸連 弘田憲一
高知県の園芸の歴史。野菜は221年前に芸西付和食で促成栽培が始まった。果樹は、174年前、山北村でみかんの栽培。花は78年前、芸西村。先人の思いや夢、たゆまぬ努力で今日の高知県の園芸農業が発展してきました。
高知県園芸連は86年前、野菜・くだもの・花きを販売する専門県連として県下の生産者が生産、荷造りをした園芸品を今は18の農協と県下90の集出荷者を通じ県域の共販休制により全国の取引先に出荷販売する事業・業務を実施。高知県の生産者が1つにまとまるため、生産者の呼びかけで出来た組織。耕地面積と生産量が小さく、しかも消費地から離れている高知県には無くてはならない組織・団体と思っている。
 高知県の園芸農業にもいささかの陰り。私も組織の一人として大変心配をしている。その不安の材料は主に4つ。①生産農家の高齢化・担い手(後継者)の減少 ②原油価格の高騰と生産、出荷、流通経費等の値上がり ③個人販売や農協を経由しない販売の増加 ④輸入品の増加と安値など、こうした要因で野菜・くだもの・花きの生産・販売量が減少している。
 園芸連の取扱量は昭和50年には16万7干トンがピーク。昨年は10万4干トン、ピーク時に比べると6万3千トンの減少、10トントラックにすると6,300台分が無くなった。
 また、取扱金額は、平成3年度の914億円を境に、平成19年度には621億円。ピーク時に比べると293億円の減少。幸い、野菜・くだものの1キログラム当たりの平均単価は、平成2年より500円台をキープしており、市場の平均単価は野菜でキログラム当り約200円、果樹350~300円で他県に比べ極めて単価の高い品目が生産している。
 しかし、品目ごとにその経過や実態を見ますと大きな変化や課題も多く見られる。一方こうした中で高知県園芸農業には、他県にない魅力がいっぱいある。そうした魅力がありながら輸入の拡大で地獄を見た品目もたくさんある。例を挙げますと、紙さんも使っている生妻。生姜は過去には園芸連の取扱数量が年間1万8千トンから2万トンが販売され、国内消費量の約半分を占めていた。ところが平成4年頃から中国産を中心とする輸入生麦の急増と安値の影響により現在は当時の4分の1程の取り扱い量となり、九州の熊本、長崎、鹿児島という主要産地の生産もなくなった。その中で日本一の座を守ってたのは、生産農家・農協・園芸連の三者が長年集いてきた信頼関係と安値の時でも思いを1つに辛抱し、栽培を続けてきた農家の忍耐・努力の結果だと思う。行政のお力添えもいただいたが、農家、農協がバラバラな思いや行動をしていては、お互いの足の引っ張りあいにつながり、価格のリーダーシップが取れず、今日の高知県園芸農業の持続発展はなかったと思う。
輸入品との競合で生姜を例にあげましたが、その他にも高知県の園芸作物に影響が出ている品目は多くある。1例を挙げるとオクラ・ねぎ・アスパラガス・ブロッコリー・パプリカ・さといも・しいたけ・きゆうり・なす・にら・小ナス・大葉・ししとう・メロン・柑橘類・花など輸入物の増加によって生産体系と生産量と価格が大きく変化している。
 しかし、昨年中国の生姜にBHCの使用が明らかになり、2月の中国のギョウザ事件から除々に、消費者、流通関係者が国産に目を向けてきてくれおり、国産消費へシフトされている。しかし、一旦減少したものは工業製品のようにすぐに製造できるものでない。一定の時間・期間、品目によっては1~2年もかかるものや、果樹は何年もかかる。農家・農協と一緒になって「生姜一割増産運動」を展開し、生麦の生産量を増やす運動を続けているが、一旦栽培をやめた人が再び栽培することは難しく、元の生産量確保は困難。
 私は、国の今後の農業政策やWTO、FTAの交渉の行方も注視しているが、国も国策を守る上では輸入品についてー定の数量枠を設けるべきで、垂れ流し的な輸入は日本の農家、農業の崩壊にもつながる。現に大きな打撃を受けた生姜がその結果。
 今、いたるところで地産地消という言葉が使われており、この事も大事だが、私は、国産国消も大切だと思っている。
 私も、今日お集まりの皆さんも日本で栽培した園芸品を含む全ての食料が一番安全・安心だと思い、感じ、食べていると思う。その野菜・くだもの・花きが外国の輸入によって国内の生産が壊滅的な打撃を受け、農家は農業では食べていけなくなる。こんな寂しく、悲しく、惨めで悔しい事はない。我々組織・団体もその事について努力するが、国も力を入れるべき、入れて欲しい。
 国際的な輸出国のやるがままでは、日本の農薬と園芸農業は蓑退する一方。どこの国に自給率40%を割った国があるか。政府は27年までに自給率を45%に挙げるといっていますが、その前にやる事。国策があるはず。
 私たちの体の1つ1つの細胞は、日本の食料で生まれ育った組織だ。その体が求めているのは外国の食料ではない。
 日本の素晴らしい水と空気と太陽など自然に恵まれた条件と農家の方々が汗をかき、真心を込めて作った食料だと思う。
 高知県の園芸農業の持続・発展のためには農家の1人1人の力を農協・園芸連を通じた系統出荷販売に集め、一元集出荷体制を守らなければならない。また、消費者も流通業者も国産物へ目をむけて欲しい。私共も高知県の園芸農業のため、生産農家・農協・県・市町村・団体と共に努力を続けていく。

◆紙智子さんのまとめの発言
国内で自給率100%可能と思うかという質問あった。子どものときはまだ農地あった。そのときでも73%ぐらいだった。いまそのときより農地が本当に減った。残っているのを目いっぱい使って100%いくかというと厳しいと思う。耕作放棄地を全部作付けしたら飼料の自給率は11%ぐらいあがる。すると食料自給率は何パーセントがあがる。それぐらい自給率あげるのは大変。50%を早くこえることを全力あげることが当面大事。
農地を密度高く使う努力も必要と思う。二期作、二毛作なと。それを担う「担い手」が必要。ちゃんと生活がなりたつ所得が手に入れば担い手は生まれてくる。群馬県のある農協は、、養蚕とか全部ダメになったところから、地元にある多種多品目に注目し、部会やって技術指導することでよみがえった。70歳こえても生き生きしてる。本来「担い手」政策というのはそういうことじゃないかと思う。
パネリストの方が、それぞれに熱弁をふるい、感動して聞いてた。ショウガもこんな苦労されてやられてるのを聞いて勉強になった。学校給食、苦労してると思う。政治の責任ある、政府は地産池消を言うが補助金削っちゃった。
食料主権が大事。輸入攻勢構成でやられてるなかで適切な歯止めをかける。日本ほど開放している国はない。小泉総理は「鎖国をやめなければならない」といって問題になったが、適切な歯止めをかけないと、いくら所得補償をしてもやっていけない。そういうこときちんとしながら自国の生産していく。
東アジアで同じような状況が出てきている。WTOのルール自体を公正にしないといけないという声が出ているので、そこを変えていかないといけない

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