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学校耐震 新基準でも自治体負担は約3割

震度6強で倒壊の危険がある公立小中学校の校舎や体育館建物が、全体の33・9%、4万3109棟あることを文部科学省が発表し各紙もとりあげている。しかし、相変わらず「自治体負担が1割になった」という政府の説明を鵜呑みにして社説で、自治体の決意を求めるものもある。しかし、算定基準が実際の工事費の半分しかない、という大問題を指摘するものほとんどない。
 補助基準が明確になったのであらためて試算すると先の高知市の場合27.2%が自治体負担(下記に試算)。1割負担というのはごまかしだ。

  16日に「人と防災未来センター」とNHK が共同おこなった「学校の防災対策の調査」が16日に発表されている。昨年11~12月に全国の自治体に対して行ったもので、回答率は、47.7%。
 耐震化の障壁が「財政難」であることがはっきりした。

・耐震化の完了について、「10 年以上」「目途がたっていない」が約4 割。
・財政力のある自治体ほど終了予定が早い。
  ただし、財政力の〔0.3~0.5 未満〕のところが〔0.5~0.7 未満〕より終了予定は早い見込み
となっている。これは、統廃合予定の棟数が多いことに起因していると考えられる。
・ロッカーなどの転倒防止では、「行われてない」「割合が低い(20~40%)」が4割を越え、窓ガラスの飛散対策は、同・7割となっており、「相対的に少ない状況にあり、課題である。」と指摘。そして、ここでも「財政力指数の値が高い属性ほど、実施されている傾向にあった。」
・耐震かの障壁としては「学校耐震化のための課題としては、財源不足という課題がもっとも大きい結果であった」が805自治体と、ほぼすべての自治体が、障壁としてとらえている。

 また報告を読んで、気になった課題としては、
 「学校の避難所開設マニュアルの作成」、「地域のハザードマップの作成など地域を素材とした防災に関する学習」に関する項目とともに、「平常時の地域の防災活動のための学校の利用」も多くあげられており、回答結果から、学校の利用については、地域を対象とした取り組みの必要性が示されていることである。
 
 高知市議団でも、中学生が地域の防災活動に参加することで、将来のリーダー育成、また学校と地域の連携と前進として、重要ではないか、と提起したことがあったが、あらためてその必要性を感じた。

 高知県の耐震化率は51%と遅れている。
 国の責任もあるが自治体の姿勢も問題だ。
 尾崎県知事などが、5兆数千億円という税金を「道路だけにしか使わないようにして」と道路特定財源の維持を主張し、運動の先頭にたってきた。その不明を恥じて、あらためて「一般財源として地方に配分せよ」と言うべきだ。だったら道路整備は少々遅れても、学校、そして病院の耐震化は一気にすすむ。

◆高知市の今年度の耐震補強3校と建替え1校にかかる予算は8億3000万円
(国の補助2億円、県の補助5千万円、地方債5億円、一般財源8千万円)
 補強の単位費用は、㎡あたり26200円、建替えは、㎡あたり141000円
        予算      国の補助    補助率
・補強分   5億3千万円  1億4千万円   26%
・建替え分  3億円     5308万円   17%
と国のいう補助率の半分程度しかない。
  
地方債5億430万円のうち半分(2億5240万円)が交付税として翌年措置
  つまり8億3千万円の事業で、
市の負担は、3億3千万円で、4割負担
県単補助事業がないと3億8千万円で46%。半分近い負担となり、国の「現状は3割負担」という説明と大きく差がある。

これを改善された学校耐震化補助で試算すると
 補助金(1)耐震補強(1/2から2/3) (2)改築(1/3から1/2)
 起債充当率を、75%から90% 元利償還の交付税充当割合 50%から66.7%

・補助金は、補強分で4600万円、建替え分で2650万円、と7250万円増
   補助金計 2億6560万円。
・8億3000万円 ― 2億6560万円 → 5億6440万円
・ 起債充当率9割、つまり頭金分 5644万円 ①
     頭金分は、約7400万円減
・ 起債   5億800万円 
・ 交付税は、3億3880万円と、8640万円増 
   自治体の後年度負担分 1億6920万円 ②
・ 市の負担は、2億2564万円 (①+②)。

 で、27.2%が市負担。到底1割負担ではない。

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