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的外れな地方自治体の「財政再建」論 

  地方自治体の「財政再建」論。「だまされてはいけない」というのが率直な思い。
 大阪府も、高知市も「危機」を叫んでいるが、大型事業、ゆがんだ同和行政など原因の本丸は温存しつつ、「公務員バッシング」に悪のりした公的サービスの切り捨て、住民犠牲を、「改革」と称している。
 「改革」を声高に叫んだ小泉劇場が何をもたらしたか。そのことを考えるともっと冷静な議論があっていいと思う。

 大阪府の「改革」だが、1100億円をどう手当するか・・・
人件費    345億円
一般施策経費 245億円
建設事業    75億円
歳入確保   435億円

 となっている。借金の最大の原因の巨大プロジェクト、大型公共事業のきりこみが弱いことがはっきりする。派手に「改革」ポーズをとっているが、財界がもとめる開発は容認している。
  この5月府議会で日本共産党は90年代以降、大型事業で借金が3.7倍に増えており、ここにこそメスをいれるべきと以下の点を指摘している。
・ 箕面森の開発中止で192億円
・安威川ダム 09年度は着工を見送りでなく廃止すれば390億円
・安威川と紀ノ川の浄水場 水余りで不要 76億円
・関空連絡橋の買い取り拒否で65億円

人件費の削減というが・・・大阪府は、全都道府県で第42位の水準である。全国ダントツ一位というなら「原因」と言ってもいいが、違うのではないか。まして、退職金については、賃金の後払いという性格をもっており、カットすれば労働基準法違反となる。
 ここに、「仮想の敵」を作り上げて、貧困と格差を拡大した「小泉劇場」との関連を感じる。

高知市はどうか。
 学校給食の民間委託や保育所の民営化ふくめ公的サービスの削減には熱心だが、そもそも財政危機の原因は、野放図な大型事業の拡大にある。
 需要もないのに、16億円かけて作り、維持費だけでも毎年2~3千万円いる「はりまや橋バスターミナル」。市長は「高知の顔として必要」と繰り返しのべた。
  
身の丈にあわない大型事業が財政危機の原因・・・この点では、議会論戦で勝負があっている。

・07年12月14日 企画財政部長は 
「平成18年度決算におきます本市の経常収支比率は,財政構造の硬直化が進んでおりますことから95.3%となっておりますが,この数値は四国の他の県庁所在市と比べましても最も高くなっております。松山市は85.3%,高松市87.2%,徳島市91.8%となっております。本市の経常収支比率の高い原因は公債費が30.8%を占めていることにございまして,この公債費を除きますと,本市では64.5%に対しまして高松市65.8%,松山市67.7%,徳島市73.6%という状況でございまして,本市の数値が最も低い状況となっています。
 今後,財政再建推進プランに基づきまして実質公債費比率の低減を図るため,起債発行の抑制を計画的に進めることといたしておりまして,公債費も平成23年ごろをピークにその後減少していく見込みでございます。」

・この点は、07年9月議会で、はた市議が
「改革を進めるためには,なぜ深刻な財政危機に陥ったのか,その原因が明確になってこそ正しい方針が立てられると思います。行革大綱では,経常収支比率と実質公債費比率の悪化を問題としていますが,現在市の経常収支比率92.9%のうち公債費比率は29.3%,人件費と臨時職員の賃金や委託料などを含めた物件費の合計は32.6%です。例えば,地元新聞で改革の先進地として紹介をされました松山市は,市民145人当たり1人の職員数で,経常収支比率は高知市より低い81.6%ですが,人件費と物件費の合計は36.6%と,高知市より高い比率になっています。
 高知市の経常収支比率の悪化は,公債分の異常な高さが原因だと思います。この公債費は平成元年以降20%前後で推移していましたが,ここ数年で一気に29.3%になっています。この点からは,市はもともと給与の削減,採用抑制などを含めた人的配置にかかわる費用を低く抑えてきたことがわかります。なのに,有利な借金と言って,身の丈に合わない大型箱物事業を推進したことが財政危機の原因になっていることは明白ではないでしょうか。」と指摘した。

 そのときの答弁では、「まちづくり計画は約束」「人員削減目標は中核市の平均」とまともに答えてなかったが、次ぎ議会で与党会派の質問の答弁で、「行財政改革」の見通しの根拠として、利用している。

 原因は大型事業なのに、市民サービスの財源を削ろうとしている。
 学校の耐震化がすすまないのに総合あんしんセンターに50億円、「環境都市」をめざすと突如宣言しているが自然・文化の残る新堀川を暗渠するために7億円の負担。そして同和事業に10億円・・・ 中心市街地活性化を主張するが、どれだけ予算を投入するかもまったく不明。
 しかも、理不尽な計画に、職員が動員されている。その経費の無駄、そして、まじめに首長の指令のもとに頑張ったのに市民からは批判されるという、モチベーションの低下・・ この損失は極めて大きい。 

 「ハコ物残って、市民生活亡ぶ」 ・・・以前書いたが、北欧の公務労働を重視し、生活の安定させ、各人の能力の開花を軸に、経済を前進させている例を、ひろめていく必要を痛感する。

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