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地方財政「危機」と国の体質

地方財政の危機をめぐり、この間の報道から、国、中央官僚の責任をますます痛感する。
①大阪府の借金の元凶は国主導の大型事業 ②国基準を拒否した高知の1.5車線の努力(本日、朝日新聞報道) ③タクシー接待と財務省の体質 について考えてみた。

◆大阪府の騒動。だいたい「財政危機」をつくったのは政府と財界だ。
関空二期工事やベイエリア開発、テクノポート大阪計画など、政府、財界が主導した巨大プロジェクトで、90年代、年平均2兆6,000億円の公共事業を行い、借金を3倍に増やした。この大阪を中心にしたベイエリア開発計画は総額40兆円と言われる巨大開発だ。こうしたことが次々と破綻し、5兆円もの借金となった。また、乱脈な同和行政もその原意だ。
90年以降、府知事は、自治省出身の岸昌、厚生省出身の中川和雄、財界いいなりだったタレントの横山ノック、通産省の太田房江と続いた顔ぶれからみても、国、財界の責任は明白だ。
毎日新聞が「都道府県の歳出を02年度と06年度の決算で比べると、大阪が1.03倍と歳出を伸ばした一方、高知の22%を筆頭に25道県が1割以上の歳出削減を進めている。」と指摘している。つまり、国と財界の失敗のつけを口実に、「パフォーマンス」を利用し、暮らし、福祉、労働条件というナショナルミニマムやルールを破壊するためのチャンスとしているというのが本質だろう。

◆地方の努力 高知の1.5車線
本日の朝日新聞に「1.5車線道 25道府県が整備 工費1~3割」との記事が出ている。
1.5車線とは、山間部など交通量の少ないところは1車線で整備し、ところどころにすれ違いのできる2車線部分をつくる工法で、高知県が97年度から県単事業として始めたもの。建設費8分の1、工期3分の1ですむ。2車線でやると工費が莫大になり、補助があっても45%は自治体の負担だ。それで単独でも1.5車線が効果的とはじめたもの。

 03年度からようやま国の交付金の対象となったが、国は、「原則2車線(幅員5.5メートル以上)」が、工事の55%を補助する「地方道路整備臨時交付金」の補助の基準としてきた。しかし、まだ25道府県にしかひろがってないらしい。 6兆円の道路特定財源の中に無駄があるというのは、ここからも明白だ。これも国が押し付けてきた無駄だ。 
 高知県は97年度から財政出動にブレーキをかけてきた。1.5車線や全国初の森林環境税もそのなか出てきたこと。その数年後の02年と比べでも現在も2割も歳出が減っているのだから、地方は限界まで努力しているのだ。

◆暮らし、地方切り捨てる財務官僚の特権的感覚
 地方財政、社会保障費などを甘えがある「自立自助」と言って査定、切り捨ての先頭に立っている財務省の官僚がタクシー接待を当然のように受けていた問題。税金を自分のものと勘違いしている特権的感覚を露呈した。
こうした財務省が出してくる「改革案」が、どれだけ、地方や暮らしの痛みを感じているのが、基本が問われる。
財務省出身の尾﨑高知県知事は、6日の記者会見で、タクシー接待を批判した。また分権改革について「霞ヶ関はどれだけ地方の事がわかっているのか」と批判している。また、「地域の声が中央に届いてない」と言っている自身についても、地域ごとの懇談会で「新しい発見の連続だ」と述べている。
 かつての同僚からも「地方がわかってない」と批判されるものが予算の査定をしている。ゾッとする話である

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