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学校給食民間委託③ 遵法精神

 給食調理の民間委託は、偽装請負で行う以外、実施は不可能であろう。しかし、当局は、まともに労働者派遣法や旧労働省告示37号を学び、「法を守ろう」という精神で、検討したと思えない。
1つめは「引継ぎ」について、 2つは「現場責任者」について

◆引継ぎについて
 法は、「請負事業において発注者が行う技術指導について」、極めて限定している。
 厚生労働省・都道府県労働局の作製した「Q&A」(全文は下記)では、
・請負としての独立性を前提として
①新たな設備を借り受けるとき、業務処理の開始に先立って説明をうける。
②新商品の製造着手時などに補足的な説明を行う
③安全衛生上緊急の場合
としている。

 だから一緒に作業しながら、引き継ぐことはできない。

 そもそもそれだけの専門性と経験があるから請け負っており、学校の調理器具の仕様もメーカーに問い合わせばすむことだ。仮に改良していても、事前の説明しか認められてない。

 ところが先日の行革委で、市側の資料に「引継ぎ」という項目が入っている。市は「指揮命令でなく説明だ」と強弁したようだが、教育委員会は「子どもにウソをついてはいけない」と教えているのでないか。

◆現場責任者について
 事前にPTA役員のために使った21日付けの資料は、「仕様書があれば、その実行を管理できる」というとんでもない文章を「労働局の見解」として出すデタラメさだったが、「現場責任者」を通じてのように改善されていたが・・・・
 
「栃木労働局・職業安定部 職業安定課」の解説書は「偽装請負」
①典型タイプ … 請負と称するが、発注者が受注者の労働者に指示・教育・勤務時間管理等を行う。
②形式責任者タイプ … 現場責任者がいるが、発注者の指示を伝達しているだけ。
③使用者不明タイプ … 多重に労働者派遣が行われており使用責任が不明。
④一人請負タイプ … 受注者が労働者を個人事業主扱いにするが実態は発注者の指示を受けている。
をあげて「※ 契約の名称・形式等ではなく、実態によって判断することとなる。」

 市は、発注書されあれば、「現場責任者」に指揮命令ができ、「サービスの質の低下はない」かのよな説明をしているが、「現場責任者」と名をつければ何でもできるわけではない。

旧労働省告示37号によれば
◇業務の遂行を自ら管理する
 受託者は、一定期間において処理すべき業務の内容や量の注文を注文主から受けるようにし、当該業務を処理するのに必要な労働者数等を自ら決定し、必要な労働者を選定し、請け負った内容に沿った業務を行っていること。受託者は、作業遂行の速度を自らの判断で決定することができること。また、受託者は、作業の割り付け、順序を自らの判断で決定することができること。

◇労働時間を自ら管理
 受託業務の行う具体的な日時(始業及び終業の時刻、休憩時間、休日等)については、事前に受託者と注文主とで打ち合わせ、業務中は注文主から直接指示を受けることのないよう書面を作成し、それに基づいて受託者側の現場責任者を通じて具体的に指示を行っていること。

 だから、もし発注書との違うことがあれば、指摘はできるが、直接調理師全体には指揮命令はできないし、一緒に作業するなんてとんでもない。

 栄養士の指摘を理解できる専門性と経験、力量が「現場責任者」にはもとめられる。でないと、他の調理員に現場責任者が具体的に指示することは不可能だからだ。
 つまり、栄養士がいなくても、調理部門がまわるだけの専門性と経験があることが前提である。
 しかも、そのために、栄養士は、事前に毎日、詳しい発注書をつくらなくてはならない。
 法を守ろうとすれば、これだけの事を守らなくてはならない。

 民間委託でやろうとすれば結局、「形式責任者タイプ」という抜けでやり過ごそうとすることになる。子どもに道徳で「正しいことを勇気を持って行うことの大切」をといている教育委員会のやることではない。

 なお下記に「労働者派遣・請負を適正に行うために 厚生労働省・都道府県労働局」の偽装請負のチェック表があるので、ぜひ見てほしい。

【請負事業において発注者が行う技術指導について】 
1 請負事業が、労働者が発注者の指揮命令を受けて行われる労働者派遣事業ではない適正なものであると判断されるためには、次のいずれの要件も満たすことが必要となります。
① 請負事業主が、自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用すること。
② 請負事業主が、業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理すること。

2 請負事業において、発注者は、上記1の①又は②の要件を逸脱して労働者に対して技術指導
等を行うことはできませんが、一般的には、発注者が請負事業で働く労働者に対して行う技術
指導等とされるもののうち次の例に該当するものについては、当該行為が行われたことをもって上記1の①又は②の要件に違反するものではないと考えられます。

[例]
イ 請負事業主が、発注者から新たな設備を借り受けた後初めて使用する場合、借り受けて
いる設備に発注者による改修が加えられた後初めて使用する場合等において、請負事業主による業務処理の開始に先立って、当該設備の貸主としての立場にある発注者が、借り手としての立場にある請負事業主に対して、当該設備の操作方法等について説明を行う際に、請負事業主の監督の下で労働者に当該説明(操作方法等の理解に特に必要となる実習を含む。)を受けさせる場合のもの

ロ 新商品の製造着手時において、発注者が、請負事業主に対して、請負契約の内容である仕様等について補足的な説明を行う際に、請負事業主の監督の下で労働者に当該説明(資料等を用いて行う説明のみでは十分な仕様等の理解が困難な場合に特に必要となる実習を含む。)を受けさせる場合のもの

ハ発注者が、安全衛生上緊急に対処する必要のある事項について、労働者に対して指示を行う場合のもの

 
「労働者派遣・請負を適正に行うために 厚生労働省・都道府県労働局」
 請負事業者の立場から点検をした場合、以下の項目の1つでも「いない」があった場合、労働者派遣事業に該当する可能性があります。
 なお、以下の項目を満たすだけで適正な請負ということはできません(同基準第3条等参照)ので留意してください。

Ⅰ 自己の雇用する労働者の労働力を自ら直接利用すること
1 業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行うこと
(1) 労働者に対する仕事の割付け、順序、緩急の調整等を自ら行って‥‥いる/いない
(2) 業務の遂行に関する技術的な指導、勤惰点検、出来高査定等について、自ら行って‥‥いる/いない
2 労働時間等に関する指示その他の管理を自ら行うこと
(1) 労働者の始業及び就業の時刻、休憩時間、休日、休暇等について事前に注文主と打ち合わせて‥‥いる/いない
(2) 業務中に注文主から直接指示を受けることのないよう書面が作成されて‥‥いる/いない
(3) 業務時間の把握を自ら行って‥‥‥いる/いない
(4) 労働者の時間外、休日労働は業務の進捗状況をみて自ら決定して・・いる/いない
(5) 業務量の増減がある場合には、事前に注文主から連絡を受ける体制として‥‥いる/いない
3 企業秩序の維持、確保等のための指示その他の管理を自ら行うこと
(1) 事業所への入退場に関する規律の決定及び管理を自ら行って‥いる/いない
(2) 服装、職場秩序の保持、風紀維持のための規律の決定及び管理を自ら行って‥‥いる/いない
(3) 勤務場所や直接指揮命令する者の決定、変更を自ら行って‥いる/いない
Ⅱ 請負業務を自己の業務として契約の相手方から独立して処理すること
(1) 事業運転資金等をすべて自らの責任の下に調達・支弁して‥いる/いない
(2) 業務の処理に関して、民法、商法その他の法律に規定された事業主としてのすべての責任を負って ‥いる/いない
(3) 業務の処理のための機械、設備、器材、材料、資材を自らの責任と負担で準備している又は自らの企画又は専門的技術、経験により処理して‥‥いる/いない
(4) 業務処理に必要な機械、資材等を相手方から借り入れ又は購入した場合には、別個の双務契約(有償)が締結されて‥‥‥‥いる/いない

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