秋葉原殺傷事件と社会的「虐待」
殺人は:決して許されない。しかし、彼をそうさせた社会的原因を考え、ただす努力がいる。派遣で、会社のアパートにすみ、高い使用料金をとられるという典型的な「貧困ビジネス」。解雇されれば即ホームレスだ。 雨宮処凛さんは、派遣労働の実態にふれ「ここまで25歳の若者を自暴自棄にしてしまったのは、一体何なのだろうか。多くの若者から『未来』を奪ってきたこの社会のシステムを、もう一度考え直す必要があるだろう」と語っている。
モノ扱いされ自己否定される労働、しかしそれに頼らなくては生きて行けない。「自己責任論」、そして無力感と孤立。未来を考えることができない・・・ この構図、似ている。この前から読み始めている、トラウマ問題のバイブルと言われているジュディス・ハーマンの「心的外傷と回復」の児童虐待、監禁など長期反復性外傷症候群、複雑型PTSDついての記述だ。
そうした自由をうばわれ心が壊れていく構図とシンクロしている。
派遣労働とは、社会的な「虐待」の装置ではないか・・・
ガテン系労組の「秋葉原事件と派遣労働を考える懇談会」の模様がOhmyニュースで紹介されている。
また、「急増する派遣うつ」 ダイヤモンド・オンラインとのレポートもある。
事件の悲惨さを思う時、こんなことがイラクでは、もっと大規模に毎日のように起こっているのだ、その援軍に日本が手をかしているのだと、いいようのない思いにかられた。
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友人の青年から、事件のコトについてたずねられた。社会発展の展望をもってたら違うのかなと。
私は、脳の発達は二十歳頃までつづき、その時々のことが神経系に刻み込まれる。青年分析の視点として、成長環境や教育、個人的体験などなどがもっと重視されるべきだとかねがね思っている。
と答えた。青年の「孤立感」は私の世代(ヒミツ)
とは、比べようがないほど深刻だと思う。
もちろん、ご紹介本は私のバイブルでもある。
Posted by: いのぱ | June 19, 2008 12:55 PM