政管健保の公法人化 高知は保険料アップ
10月から、政管健保が国の運営から公法人(全国健康ほけ協会)が保険者となり、都道府県毎の運営となる。
都道府県ごとの医療給付が保険料に反映するシステムとし、後期高齢者医療制度と同じく、医療費抑制という国の政策の下請けを都道府県にやらさせる仕組みだ。保険料はどうなるのか?
保険料は、「年齢構成が高い県ほど医療費が高くなる。所得水準が低い県ほど同じ医療費でも保険料率が高くなる」ため、都道府県間で、年齢調整、所得調整を行う、とのこと。現時点でわかってることは・・・
全国の平均年齢は43.34歳。高知は43.67歳。年齢調整はゼロ。1人あたりの報酬額は、全国384万5千円。高知は343万円。所得調整でマイナス2ポイント。もともとの医療給付が全国給付費より3ポイント高いため、結果2ポイント(四捨五入の関係)全国平均より高くなる(全国81‰ 高知83‰)年9千円くらいか?
しかし、報酬額が高知よりい高い、愛媛(357万8千円)がマイナス4ポイント、福岡(367万2千円)が3ポイントの所得調整されている。高知と同じマイナス2ポイントが奈良(384万2千円)、岡山(369万8千円)。まだ制度設計の途上なのだろうが、なぜそうなるのかわからない。
東京、千葉、埼玉、神奈川、山梨、静岡、愛知など調整後の保険料率は全国平均を下回っている。最高は北海道の87‰、最低は山梨の76‰。
保険料率は、10月1日の協会設立後1年内に決定され、それまでは、全国統一の政管健保の保険料率を用いることとなる。また、保険料が大幅にあがるところには、激変緩和措置が検討されている、とのこと。
一次産業、建設工事など事故が多い、また、近くに医療機関が少なく入院を余儀なくされるなどの地域性を無視し、また、地方の体力の弱い事業主の負担を強い・・・ 政府は地方の「定住自立圏構想」を一方で発表しているが、まったく整合性がない。
【都道府県単位保険料の機械的試算(H15,年度)】
全国平均 81‰
北海道87、青森82、岩手81、宮城80、秋田83、山形79、福島80、茨城78、栃木79、群馬78、埼玉78、千葉78、東京79、神奈川80、新潟79、富山82、石川83、福井80、山梨79、長野76、静岡79、岐阜80、愛知80、三重80、滋賀79、京都80、大阪82、兵庫81、奈良82、和歌山82、鳥取81、島根82、岡山82、広島83、山口82、徳島86、香川83、愛媛81、高知83、福岡84、佐賀84、長崎83、熊本83、大分83、宮崎81、鹿児島81、沖縄78
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