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療養病床削減 救急がパンク

 療養病床が削減されれば、救急がパンクする―― 救急で措置したあと2、3週間後には退院となっても、受け入れ先がなく、救急のベッドが回転せず、受け入れられない。こうしたことが既に新潟で起きているとのこと。
 脳血管疾患で寝たきりになった人の場合、医療区分は1。医療型の療養病床では赤字になる。慢性期を担当する障害者病棟もこの10月からは脳血管疾患の後遺症の方などは基準からはずれることとなった。老健ならどうか、「施設内で通常行える内容の診療行為」は丸めの介護報酬に含まれるため「医療行為の多い」人の受け入れは難しい。新型老健は、看護と介護の体制は維持したが、療養病床より2割診療報酬が削減されるのでそもそもやっていけない・・・ 救急で治療したあと、どこに行けばよいのか・・・

県の保健医療計画によると、高知県の病床数は
96年 一般病床 14815 療養病床1438 精神病床 4198 等
06年 一般病床  7575 療養病床7548 精神病床 3818 等 
となっている。
 今回の療養病床再編では、ここを3200にするため、4300床が老健、特養老などの施設に転換するので、一般病床と療養病床数は、約1万余。10年前から4割減少することとなる。

 一方、高齢化が進んでいく。05年―35年の比較では、
県人口は     80.9万人から68万人だが
65歳以上の方は、20.5万人から23.6万人
75歳以上の方は、10.5万人から15万人へ
 と65歳以上人口は、2020年が24.8人でピークだが、75歳以上の人口はその後も増え続ける。

 高齢化の進行とあわせ、救急搬送が増えてきている。
01年29528人から、05年34164人と4年間で、約5千人、16%も増えている。
また、脳血管疾患患者のうち65歳以上の高齢者が2075人、71.7%を占めているが、厚労省は一方で脳卒中連携搬送を打ち出している。救急病院には年齢構成上も政策上も今以上に集中していくだろう。

 先日、与党の「療養病床問題を考える国会議員の会」が会合の中で、ある病院長が「医療・介護難民は11万人に上る」との試算が示したが、東京の別の病院長は「救急では、運び込まれた高齢者が次に行くところがなければ受けられない。次に行くところは一般病院で、その次は老健(介護老人保健施設)か療養型の病院。そこも減らされて再編が進み、受け皿がない」、「療養病床問題の中で大きく占めている問題だ。救急医療と療養病床問題が大きくリンクしているということを認識して解決に持っていかなければ」と述べている。

 後期高齢者医療制度について怒りが爆発しているが、療養病床の削減も「医療費の適正化」を目的とした「高齢者の医療の確保に関する法律」の技術的指導として、厚労省がおこなっているものだ。
 高齢者の行き場の問題とともに、救急を含め高知の医療をどう守るか・・・そうしたし視点で療養病床問題を見る必要がある。

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