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憲法にもとづく社会を 各紙の社説の変化

61回目の憲法記念日。1年前とは様変わりした様子が各紙の社説から読みとれる。
 貧困のひろがりなど憲法25条が守られているのか、と問題提起をし、一方、イラク空自違憲判決を軽んじる政府の姿勢、ビラ弾圧、映画「靖国」、日教組会場問題など表現の自由への抑圧など、ここでも憲法が守られているのかと問題提起をしている論調が多く、なにより「憲法を力に現実を変えよう」というスタンスで、朝日、毎日、中日新聞などが取り上げているのが印象的だ。「憲法は古くなった」と繰り返してきた反動派のキャンペーンが、餓死事件、ワーキングファなど貧困のひろがり、国際貢献の口実にされたイラク侵略戦争の破綻の前に説得力を失ったということだろう。憲法論議の大道が示されつつあると感じる。

 中日新聞は「日本国憲法の規範としての力が弱まっています。現実を前に思考停止に陥ることなく、六十年前、廃虚の中で先人が掲げた高い志を再確認しましょう」と呼びかけ「憲法は政府・公権力の勝手な振る舞いを抑え、私たちの自由と権利を守り幸福を実現する砦(とりで)です。」と締めている。朝日も「現実と憲法の溝の深さにたじろいではいけない。 憲法は現実を改革し、すみよい社会をつくる手段なのだ。」、毎日は「憲法で保障された国民の権利は、沈黙では守れない。暮らしの劣化は生存権の侵害が進んでいるということだ。憲法記念日に当たって、読者とともに政治に行動を迫っていく決意を新たにしたい」、
地元・高知新聞は「身の回りに目を凝らすと憲法のほころびにあらためて気付かされる。生存権や教育権、勤労権などの「社会権」もその一つだ。一度立ち止まって在り方を考えないと、この国の土台がぐらつきかねない」と憲法の視点で考えることを呼びかけている。
 私たちは、そもそも憲法は権力を縛り、国民の権利を担保するものだ・・憲法にそって現実を変えようと呼びかけてきたが、そういうその本来の憲法の視点を各紙が語ってる変化は大きい。
 その理由は25条の生存権・・・
 中日新聞は、「おにぎりだべたーい」の北九州の餓死事件、「現代の奴隷労働」といわれる非正規雇用をとりあげて「わすれられた公平・平等」と述べている。
 朝日も「憲法をめぐってもっと深刻な事態が進行していた」と「ワーキングプア(働く貧困層)という言葉に象徴される、新しい貧困の問題」を取り上げている。
 毎日は・・「憲法」と「現実」の懸隔が広がっている。働いても生活保護以下の所得しか得られないワーキングプアの問題など典型だ。年金を払い込みながら記録されていない「消えた年金」もそうであろう。「生存権」の侵害に監視を強める地道な努力が必要である、・・・。高知新聞もその観点から「【憲法と社会権】ほころび目立つ網の目」が社説のタイトルだ。
 民主主義、憲法に基づく行政執行について、中日新聞は「黙殺された違憲判決」と書き、一方で、イラク派遣反対のビラを自衛隊官舎に配った市民が逮捕され、七十五日間も拘置されたすえに有罪とされま事件に対し、「団地の新聞受けにビラを静かに入れて回っただけなのに『他人の住居を侵し、私生活の平穏を害した』というの」は、「憲法第二一条が保障する「表現の自由」は絵に描いたモチです。これでは、民主主義にとって欠かせない自由な意見表明や討論が十分できません。」と指摘している。また、朝日、毎日も、靖国問題、日教組会場問題をとりあげ、朝日は「憲法はその自由を保障している。軍国主義の過去を持つ国として、ここはゆるがせにできないと、だれもが思っていることだろう。だが、この袋にも実は穴が開いているのではないか。そう感じさせる事件が続く。」とのべ、毎日は、「意識して抵抗しないと基本的人権は守れない」と指摘している。
 沖縄タイムスは、イラク違憲判決に多する姿勢についてね「『憲法尊重擁護義務』を守ろうとする姿勢が全く感じられない。戦前の歴史をひもとくまでもなく、指揮官が平気でこのような物言いをし始めるのは危険である。」。
 憲法擁護義務が大きくとりあげられてきたことが今年の最大の特徴と思う。
 一方、昨年は、改憲を唱えた安倍内閣のもと改憲の旗ふりをしていた産経、読売、日経の各紙はどうか。貧困の問題に一言もふれることなく、また、イラク戦争への自衛隊の派兵問題も触れることもできない極めてそこの浅い見識しかしめせず、改憲議論を遅らせるのは「政治家の責任放棄だ」と八つ当たりし、その根拠として、いわゆる「ねじれ国会」で国家の決定がスムーズにできなくなっていると言い、だから参院改革も改憲の大きなテーマだとぐらいしか主張できてない。(産経だけはさらに独自に、「海賊船に対応できないから改憲議論を」のようなことを言ってるが) 
 しかし、ねじれ国会にだからこそ、薬害肝炎の支援、被爆者認定の見直し、被災者の住宅支援の改などがすすんだのであり、道路特定財源のいい加減な内容が明らかになった。まい、大問題となっている後期高齢者医療制度は、06年に、自公の強硬採決で決まったもので、二院制だからこそ、マスメディアも煽った郵政選挙での「虚構」の多数派の横暴にストップがかかっているのである。
 昨年6000だった九条の会が全国で7000を突破した。草の根の力が情勢の変化をつくっている。

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