米イージス艦来るな!早朝の抗議集会に180人
21日朝7時30分に、宿毛湾に、イラク戦争に参加してきた米イージス艦・オカーン(オケイン)が入港した。宿毛新港岸壁には、前夜から泊り込んでいた人たちをふくめて180人が集まり、抗議の集会を開催。
集会では、県平和委員会、平和運動センター、宇和島市民の代表、佐世保市の平和活動家・山下千秋氏が決意表明。政党代表として、日本共産党、民主党、社民党、新社会党から連帯のあいさつ。このあとデモ行進を行ったとのこと。
前回の寄港時には、補給の食料・飲料などはすべて特別便のため現地への経済効果の少なかったこと、度重なる寄港に軍港化への懸念、特に侵略戦争であるイラク戦争に参加した部隊であることなど、現地の反応も、前回とは微妙に違うようだ。
ちなみに、9日に行った県議団の知事への「申入れ」文は以下のとおり・・・
米ミサイル艦「オカーン」入港に反対し、県民の平和的生存権と非核港湾決議にもとづき、毅然とした対応を求める申し入れ
2008年5月9日 日本共産党高知県委員会、
日本共産党と緑心会
来る5月21~26日、アメリカ海軍のイージスシステムを搭載したミサイル駆逐艦「オカーン」が、一昨年の「ラッセル」に続き、宿毛湾に入港することが計画されている。核兵器を搭載できる能力をも持っている同ミサイル駆逐艦の寄港は、高知県民の「非核平和」の願いを大きく脅かすものである。
高知県議会は、1997年12月19日、全会一致で「高知県の港湾における非核平和利用に関する決議」を採択し、港湾の平和利用を宣言した。
日本政府は「事前協議がないので核を積んでいない」と主張しているが、アメリカは、艦船への核搭載は事前協議の対象外という態度を一貫してとっており、なんら証明にはならない。
昨年8月、アメリカ空軍のB52戦略爆撃機が、誤って核弾頭6個を搭載したまま米本土上空を飛行していた事実が明らかになっている。核兵器管理のずさんさを示すとともに、その調査結果の公表にあたり、ウィン空軍長官は記者会見で「通常は核兵器が関与しているかどうかについて、肯定も否定もしないのが方針だ。今回の事件についてはとくに例外としたい」と述べている。ラッセルの入港時、前県政が求めた「非核証明」の提出にアメリカ側は明確な回答は示しておらず、県民の不安は解消されていない。アメリカ側に「非核証明」の提出を求めることは、高知県民に対する最低限の責任である。
2006年、「乗組員の休養と親善」を「目的」として、宿毛湾に入港したラッセルの艦長は「寄港の目的は日本、東アジア地域に米国がいかにコミットしているかを示すことだ」「コミットとは日本と一緒にオペレーション、作戦するという意味だ」と明確に述べている。この発言がしめす通り、日米両政府は、2005年10月の在日米軍再編に関する合意で、軍事協力を向上させる分野として港湾の使用を明記し、共同作戦計画を検討するため、民間港などの詳細な調査や演習を実施することを盛り込んでおり、日本各地の民間港を米軍艦船の補給・中継・出撃拠点にする動きが活発化している。2006年、2007年と米軍艦船の日本の民間港への寄港は、ともに28回と、旧ソ連崩壊以降、最多を記録し、復帰後はじめて沖縄の民間港にも与那国町の反対、沖縄県の自粛の要請を無視し寄港を強行している。今回の寄港も「親善・友好」を「目的」としているが、こうした在日米軍再編、日米共同作戦の一環として行われることはあきらかである。アメリカは、現在も違法なイラクへの侵略戦争を続け、多数の犠牲者を生み出しており、「オカーン」自体、アフガニスタン戦争、イラク戦争に参戦している。
宿毛湾については、2007年3月に、石破防衛大臣らとの共著「国防の論点」で、防衛政策に深く関わっている森本敏・拓殖大教授が「空母が寄港できる港を、佐世保以外にもう一つつくったほうがいいと思います。私の頭の中にあるのは、四国の西端にある宿毛湾です」と述べており、特別な警戒が必要となっている。
高知県民の安全と港湾の平和利用を守るためにも、米戦艦の入港を拒否すべきである。
憲法は、戦前、地方が国の下請け機関となり、戦争を推進していった反省から、地方自治を明記し、中央政府と地方政府の二重構造によって、人権保障を担保する構造となっている。国と地方は対等であり、県民の平和、命にかかわる事項に地方自治体が関与、対応することは当然の権利である。先日、航空自衛隊のイラクでの活動を憲法違反と断じた名古屋高裁の判決は、憲法が保障する平和的生存権には「具体的権利性がある」と述べており、県民の代表として県が平和的生存権に基づく行動をとることには合理的根拠がある。「防衛、外交は国の専管事項」という主張には、なんら法的根拠はない。
同時に今回の米軍の入港は、通常の商船の入港と同じく港湾法に基づくものであり、危険物の搭載の有無を確認することは県民に対する県としての当然の責務である。
以上のことから、県民の「港湾における非核平和利用」の願いと県議会決議への挑戦とも言える米軍艦の入港について、次のとおり申し入れる。
1.港湾管理者としての責任において、「許可しない」という毅然とした対応をとること。
2.県民への最低限の説明責任として、「非核証明書」の提出をアメリカ政府に求めること。
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