高知一区と「政界再編」
橋本前知事が、高知一区から挑戦することを発表した。「政界再編の触媒となる」とのことだが… 同氏とは、知事時代は、「理」のある提案は誰が言おうと取り入れる誠実な態度を持っており、自民党県政の復活を許さないという立場から支援してきた。しかし、今、国政に求められているのは「政界再編」だろうか。
先月の3日には自民、民主相乗りの「せんたく議員連合」が正式発足。さらに翌日には、自民、民主、公明、国民新各党などの改憲派議員でつくる「新憲法制定議員同盟」の総会があり、民主党幹部を新たに役員に加えた新体制を発足させている。構造改革路線でも、九条を壊す改憲でも、消費税増税でも… 同じ土俵の自民党と民主党を再編しても、同じようなものしか出てこないのではないか。
いや、改憲、消費税増税は大連立ですすめる以外がないのでそういう再編に結びつく危険もある。
若者をモノ扱いして史上空前の利益をあげている大企業に減税をするような財界中心の政治、アメリカから年次改革要望書という文書を毎年つきつけられ労働の規制緩和、郵政民営化、医療改革、農業分野の開放など唯々諾々として進めてきた政治、 「ショー・ザ・フラッグ」、「 ブーツ ・オン・ザ・グラウンド」と言われ、インド洋、イラクに自衛隊を派兵するようなアメリカいいなりの政治を変えることではないか、と思っている。日経が「経済の軸足を家計に」とかき、週刊エコノミストが食料主権について書くような状況が生まれている。
二大政党制がゆきづまって機能しなくなった矛盾が「政界再編」という言葉となっていると思う。そもそもアメリカやイギリスのようにブレない革新政党がないところでは、似たような2つの政党が生まれる条件があるが、先の参院選でみたように、反自民の受け皿となろうとすれば、「消費税を上げない」「農業の所得保障」「生活第一」「イラクからの撤退」と、内実はどうかは別にして、財界が嫌がることを言わなくてはならない。ここが日本の二大政党制の隘路となっている。
ともあれ、橋本氏が出てきたことで、高知一区はおもしろくなった。大局的には保守の分裂であり、反自民の受け皿が単純に民主と描けなくなくなったことで、それぞれの主張、力量が問われることとなった。同氏とは、政策を訴え、よきライバルとしてたたかうのみ。
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共産党は「政界再編」に対して、否定的見解を持っているのですか。有権者が様々な形で、政治のあり方を模索しているのであれば、それはそれで起こりうることの一つでは。
Posted by: yassan | April 03, 2008 09:14 AM