小沢代表 なぜ棄権?
小沢・民主党代表は、新テロ法案に反対しながら、1月、衆議院再可決に際して欠席したことが批判を浴びた。4月3日の米軍への「思いやり予算」の採決の時にも欠席した。
10日、野中広務・自民党元幹事長が日本外国特派員協会の講演で「野党第一党の党首でありながら、なぜアメリカに関する棄権するのか。逃げる裏には何があるのか」「私は湾岸戦争を知っている。湾岸戦争の裏に何があったのか。それがいま小沢氏が、アメリカ関係の法案に棄権する理由につながっているのではないか」と意味深長な話をしている。いわゆる資金提供にかかわる着服疑惑のことか?
疑惑問題は別として政治路線の帰結、破綻のあらわれだろう。湾岸戦争の時に、135億ドルも出したときの自民党の幹事長が小沢氏だ。しかし、クウェート政府が「ニューヨーク・タイムズ」に出した各国への感謝をつづった広告には日本の名前はなかった・・・ここから国際貢献論が声高に言われ出す。そしてアメリカのもとめる「普通の国」にむけ、「憲法改正」が必要と、自民党をとびだして細川政権を誕生させ、小選挙区制を導入、「社会党を木っ端微塵」にし、二大政党づくりに奔走してきたのが小沢氏であり、その政治路線と欠席とは符合する。
「思いやり予算」では、反対討論にもたたなかった。野党第一党が行わなかったのは過去に記録にない異例の事態だ。アメリカに楯突く法案には賛成できないということか… 自民党とは「対決」しなければならないが、基本路線では違わないから、「欠席」や討論なしでなんとか逃げる。一方で、新テロ法案の「対案」して、陸上自衛隊のアフガン本土派兵を盛り込み、自衛隊員による武器使用基準を大きく緩和した恒久法を提案した。自民党のインド洋での給油継続に限定した中味を大きく踏み越えた内容で、アメリカにしっかり忠誠をアピールをしている。
野中氏はさらに講演の中で「小選挙区制は国民の選択の自由がなくす。苦労せずに税金が助成金として政党に渡るとやがて国のあり方がおかしくする、という危惧が間違いでなかった」「共産党を除いて、そんなに主張はかわらない。小選挙区制では多様な意見が生かせない。それが政治の混迷となっている」と述べているとのこと。
立場はまったく違うが、私たちと同じような見方をしてるのが興味深い。
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