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食料 価格保障と所得補償

先日、わたしたちは農業再生プランを発表した。その中心は、生産増進のための価格保障制度を確立すること。よくにた言葉だが、大きな違いがある。所得補償とは、新自由主義の貿易ルールのWTOの範囲で、農業の多面的機能を評価するとともに、ソフトランディングとして耕作しようとしまいが、手当するというもの。価格保障は増産をめざすもの。根本的に立場が違う。民主党が、貿易の自由化を前提に所得補償といっているのはアメリカを中心とした新自由主義の流れの中でしか提案できないからである。

 私たちの提案は、現状の米価から一俵5千円増の水準を設定し、それ満たない部分を不足払いとして保障するもの、アメリカも導入している。ところが国内農業をまもるための関税措置とか価格保障はWTOでは制限されている。しかし、輸出促進のための補助金(アメリカの不足払い制度など)は、規制は極めて緩い。こういう不公正なルールのもとで、食料が金儲けの手段として扱われている。ここに発展途上国などが強硬にWTO体制に異議を唱えている根拠がある。
 もはや誰のめにも、世界の食料危機が明確になってきた。30年前、私が大学の農学部で学んでいたときにも「国際分業論」とかが言われていた。その時でさえ、無理な耕作による表土流失、塩害、また環境問題としての窒素循環、水の問題が指摘されていたが、ようやくなんともならなくなって動きが出てきた。 国際貢献というなら、食料がつくれる条件をもっている限られた土地資源を有効に使うことではないか、と思う。
 根本的には、マルクスが指摘した、分かっていてもコントロールできないのが資本主義の制限を乗り越えるときが求められていると痛感する。

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