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派遣労働の規制とマルクス

志位さんの派遣労働の実態を追及した質問が大きな問題提起をした。そして10日、日本共産党は是正のための法案を提起した。また派遣労働者を中心とした労働組合からも全国会議員に改正提案のパンフが配布されたことが報道されていた。
志位さんの質問をとりあげた週刊誌が「マルクスを知らなくても・・・」と書いたが、この140年前にかかれた本が解明したことが、ホントに今の社会を映し出している。科学の力とはこういうものかと改めて感心する。

資本論の第19章「出来高賃金」では①製品の質を賃金で評定し「賃金減額および資本主義的ごまかしのきわめて実りある豊かな源泉」 ②労働者が自分で自分を監督し、労務監督の仕事が削減できる。そのため資本家と労働者のあいだな中間的な寄生者が介入する「下請け」化が進行すると解明している。③自分で労働強度を高めるように仕向け、「労働強度の標準度を高めるのを容易にする」 ――として、「出来高賃金は、資本主義的生産様式にもっとも適応した労賃形態である」と解明している。②は、近年の規制緩和による「派遣労働」「請負」がワーキングプアの源泉となっていることと一致する。①と③などは、現在の「成果主義」賃金にもぴったりあてはまる。
また、23章「資本主義的蓄積の一般的法則」では、相対的過剰人口=産業予備軍のところ「労働者階級の就業部分の過度部分は、彼らの予備隊列を膨張させるが、その逆に、この予備軍隊列がその競争によって就業者に加える圧迫の増加は、就業者に過度労働と資本への命令の服従を強制」し、そのことが「個々の資本の致富手段とな」ると述べているが、正規雇用の過労死と非正規雇用のワーキングプアとの共存している現代日本に彷彿させる。そして「一方における富の蓄積と他方の貧困の蓄積」が資本の一般的法則だと喝破した内容は、貧困と格差が拡大する日本の現状そのものだ。
環境問題などでも、資本論の中で、「資本主義的農業のどんな進歩も、ただ労働者から略奪するための技術の進歩であるだけではなく、同時に土地から略奪するための技術の進歩でもあり、一定期間の土地の豊度を高めるためのどんな進歩も、同時にこの豊度の不断の源泉を破壊することの進歩である」といい、人間と自然の物質代謝の合理的な規制を説いている。また、機械制大工業が、熟練や筋力を駆逐し、女性の社会進出の可能性をひらくことなど、この人の射程は本当にすごい。これだけ科学が発達したのに、マルクスが解明した資本主義の「宿命」をいまも克服できずにいることは、冷厳な事実だ。さて、マルクスは、富と貧困の蓄積の法則にあって、どの法則も例外はあるといっている。それは労働者、国民のたたかいが資本の横暴を規制する場面だ。そして、このたたかいの行く先は、もはや人の幸福も地球環境も省みない経済システムの退場に向かうしかないのではと思う。

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