財務省の「夕張」利用術
財務省が、国の財政は、財政破たんした夕張市よりもはるかに悪いという試算を財政制度等審議会に示したとのこと。またまた国によって破たんさせられた「夕張」の利用だ。財政健全化法の「実質公債費比率」を国に適用したというもので・・・04~06年度の3年間の平均値が80.4%となり、夕張市の38.1%の倍以上のレベルになるとしている。しかし、標準的なサービスの提供というくくりがある地方自治体に対する指標を、まったく構造の違う国へどう適用するかはさじかげんだろうと思う。以前書いた「赤字論」とおなじような政治宣伝だ。
だいたい分母は、平均的なサービスを提供するための自治体の財政規模となる基準財政規模だ。国の試算の場合それをどう確定するかで違ってくる。一部マスコミは収入に対する借金の返済割合というような解説をのせているが不正確だ。収入に対してというならこの間の7兆円の大企業・大資産家対象の減税をもどせばよいし、借金の支出も高利の国債も借り換えればよい。大きく数字は変わってくるはずだ。地方は制約があってできないが、国はそれが出来る。
なにより国の悪化の原因は、アメリカと約束した630兆円の公共投資や軍事費の充実をすすめてきたからだ。財務省は、交付税復活をのぞむ地方を牽制する狙いがあるようだが、地方自治体では、公共事業を削減、厳選して対応している。「試算」を生かすなら、現在、国のある2つしかない中期計画・・・道路と軍事費。ここにメスを入れて身の丈にあったものに変えることが先決だろう。
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