病院PFI 信頼できないパートナー
今日の市議会で、病院PFIにかかわり、オリックスグループが信頼できる相手でないことが語られた。行政が言うパートナーシップの前提は崩れた。次の病院議会の目玉となるであろう。契約にかかわる話でまっこうから食い違っている。(3月14日、質疑の全文を追加しました。)
先日の病院議会でのオリックス側の調査報告の内容を問うた。報告は、贈収賄の背景に行政がわの無理な要望が続いたからだとして、オリックスが最終交渉相手で選定され、契約にいたる過程で、オリックスの提案にITのランニングコスト20億円が抜かっていることが判明し、行政側が「それはオリックスで負担しないと、契約できない」と契約額を切り下げられ言われな負担を強いられた、と述べている内容だ。
当時、事務局にいた副市長は、選定に至る過程で、ITのランニングコストが入ることも説明してあり、そうした事情を踏まえ契約したとして、報告書の内容を「遺憾だ」と語気をよめて批判した。副市長の内容が正確なら、オリックスは、ウソをついたことになり、パートナーとしての資格にかけることになる。
いよいよ「官から民」への本質、問題点が露呈してきている。
以下、答弁と質問全文
【江口議員の質問に対する山下副市長の答弁】
高知医療センターPFI事業に関してですが5~6年前のことになりますので、詳細は記憶しておりませんが記録を一定確認したうえでお答えいたします。
PFI事業は法に基づき実施方針の策定・公表から始まり、いくつもの手続き、ステップを踏まえて事業契約の締結をもって事業の終了となります。こうした過程の中で、平成14年8月にオリックスが優先交渉権者に選定され、契約締結に至る間の病院組合とオリックスとの交渉内容に関するご質問だというふうに受け止めております。
平成14年10月24日にPFI基本協定を締結し、12月8日にPFI事業契約を締結しておりますが10月に締結いたしましたPFI基本協定第3条において、PFI事業契約締結については、「提案に基づき病院組合とSPCとの間で協議の上、締結されるものとする」と定められており、最終的な価格決定のため、当初提案いただいた内容・提案価格をもとに、SPCとの間で交渉を行うなかで、SPCのPFI提案専業総額の中にITに係るランニングコスト経費が計上されていないということが判明しました。
本来このIT経費については、PFI事業提案についての質疑応答の中で、提案者において負担すべきものと病院組合から回答しており、SPCの責任において、提案金額の範囲内で経費を捻出するよう協議したものと記憶をしております。
このように正規の手続きをへてSPCとの合意が成立したものであり、オリックス不動産調査報告書に記載されていますように、「病院組合の側で別途20億円の予算措置を構ずべき」というたぐいのものではなく、平成14年11月15日に病院組合臨時議会において事業内容もお示した上で債務負担行為の議決をいただき、同年12月8日に契約を締結したものです。
こうしたことから病院組合側に責任があるかのような、ましてそのことが贈収賄事件の背景にあったかのような調査報告におきましては、極めて遺憾に思っています。
【江口議員の質問】
12月議会で、本市議会と県議会は全会一致で病院PFI株式会社との契約解除を視野に入れてるなど「早急に経営改善を求める」決議を行いました。病院企業団議会では、病院の経営改善と贈収賄事件の真相解明を求めているところです。
この26日には、オリックスが依頼した弁護士による「オリックス不動産調査委員会」の報告書の説明が病院議会でありました。当然、オリックス側に有利な報告となっていることは明白ですが、その報告の中で、贈収賄事件の背景に、無理な要求の積み重ねが背景・原因となったと述べ、平成14年10月に契約金額が確定したあと、IT予算がもれていたので、その分の20億円を捻出するため、病院組合からPFI社に「このままでは契約できない状態となる」と契約金額の減額が要請されたこと、PFI社がそれを受け入れ、負担となったことが記載されています。
●まず、こうした事実があったのか、契約時前後、病院組合事務局をつとめた山下副市長に伺います。
もし、オリックス側の報告が事実なら、本来、議会に諮るべきものをはからず、契約内容をきちんと見直す機会を失なわせた責任は重大だと思うが、あわせて伺います。
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