尾崎知事の初予算に賛成

　明日、県議会の閉会日。尾崎知事による初の予算に日本共産党と緑心会は賛成する。私が思うその理由を述べておきたい・・・その前に私たちの予算の賛否に対する基準は、①首長の政治姿勢…国いいなりか、住民に顔をむけているか　②実際の中味が、国の悪政のもとでも大局として住民の利益に合致するものかどうか　③住民の利益から見て、前向きか。後ろ向きかという全体の流れ、などを総合して判断している、が、これまでのところ尾崎知事には県政改革の流れを継続する意思と行動が見られからだ。以下、少し具体的に見ると・・・

①尾崎県政は、「地方分権時代の先駆けが橋本知事。国に隷属するのではなく、しっかり言うべき事は言うという。それをしっかり受け継ぎたい。県庁改革も受け継いでいく。県民との対話も継続していく」と県政改革の流れを継承する立場を表明している。これは、「革新県民連合」の候補が、県政改革の意義を積極的に明らかにしたことによって、この方向以外に県政の大道がないことが共通の合意になったからである。新年度予算も骨格は橋本県政時代に組み立てられたものだか、そうした流れを継続している。また、政党、団体とも等距離を保つことを表明し「選挙での推薦や支援の有無に関わらず、どなたに対しても、県としての判断の主体性を失ったり、県民の皆様に説明できないことがあってはならない」と答弁し、自民党、県民クラブなどが抵抗してきた「働きかけの公表」についても「取り組みを後退させることなく、透明で開かれた県政をさらに進めていきたい」と語っている。
②実際も、前知事の時には、自民党が削減を求めてきた地域企画支援員を「更なる活用」と位置づけ、自民党県議が反対していた少人数学級についても、私たちが要求してきた中学校の３０人学級を３校から１８校に拡大。中山間地支援も継続させている。児童相談所の体制を強化したことも評価できる。後期高齢者医療制度の発足にともない福祉医療の対象からはずれる問題についても「重視している」とのべ、これまでどうり対象とする措置を講じた。男女共同参画でも、自民党は、条例づくりの妨害、ソーレの運営にも、“一部の偏った考え”などと攻撃をくりかえしていたが、「いっそう前進させる」と答弁。自民党とは一線を画し、主体的な判断をする姿勢が見られる。
③国の流れとの関係では・・　道州制については「地方の機能や裁量権の強化がなければ、周辺地域はますます取り残される」と前知事と同じスタンスをとっている。「官から民」という流れにたいしても研究部門のアウトソーシングについての問題点の指摘に「確かにご指摘の通り、請負がはたしてまったく研究者からの指示なしでできるのかという問題が生じる可能性はあろうかと思います。」と問題点を認め、「うまくいかない場合であれば直営に戻すということも考えられる」と現実的な対応を表明した。自民党が推進する核燃料サイクル・高レベル放射性廃棄物処分場についても「否定的」「反対」と言明。
④懸念材料、問題点……国の対する評価の甘さ、地方分権の流れを推進しようという姿勢の弱さ。「国は地方を重視する方向に政策の舵を切ろうとしている」と何度となく言っているが、これは2月議会でも実質、交付税は縮減していることなどを示し論戦した。道路特定財源での「世論偽装」というべき異常なキャンペーンは大いに問題を感じる。同時に質問で批判した1週間後に「Ｑ＆Ａ」をホームページに掲載し、暫定税率廃止となれば、県民負担が１４０億円減る、など一方的でない情報提供への一定の努力のあとが見られることも注目している。個々の問題では、女子大の独立行政法人化など「工科大とセットではない」と答弁させるなど委員会で批判してきた。
　また、国の情報キャッチする東京事務所の強化については、国目線なのか、本当に実効性があるのか、確定的な評価は今後を見て判断したい。
　全体として、就任後数ヶ月で、今後、どの方向にすすんでいくか、明確な判断が下せる材料がそろっているわけではなく、固定した評価でもない。が、上記の理由で、予算に反対する対応には理がないと私は判断している。なお、国との関係での認識の甘さは、県民と向き合う県政としての流れを変質させる危険性を内包しており、引き続き、県民の立場で、県政のチェックと県民要求の実現に奮闘することが重要である。
　
。