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大義を失う道路特定財源での「擬装」

高知県のホームページに
〈「土佐はちきん連合」が冬柴鐵三国土交通大臣に緊急要望・・・1月30日(水)、立ち遅れた高知県の道路整備が1日も早く整備されることを願っている女性6人の「土佐はちきん連合」は、自分達が中心となって開催した「高知県の道路整備を考える県民総決起大会」の報告と、大会での県民の熱い思いがつまった緊急決議の要望を冬柴鐵三国土交通大臣に行いました。「土佐はちきん連合」は、冬柴国土交通大臣に「やっと地方の順番に回ってきたのに、道路特定財源の暫定税率を廃止するのはおかしい」と強く訴えました〉との情報がアップしている。しかし、市民の声を装う「偽装」工作であり、大義を失う行動だ。
 

我が友人のN記者が取材してきた。まず、「はちきん連合」の事務局は、県の道路課にある。決起集会の動員も、建設業関係に、県から依頼している。それをうけた業界の各会社への文章は「私服で」という念の要りようだ。大会の会場費、はちまき代金なども税金から支出されている。大臣への要請も、県と市町村の税金で行っている。県の説明では「県の依頼で行ったことなので、費用弁償している」とのこと。
 しかし、上記のホームページの文章ではそんなことは一つもわからない。友人のN氏は「世論“偽装”」と形容したか、そのとおりだ。だいたい、税や地方分権のあり方をどうするか、というオールジャパンの問題と、これ以上、地方への財源削減はごろんだ、という違いレベルの問題が、混同されているのが、「まずい」と思っている。
 本当に必要な道路の建設とか、地方財源の確保という「大義」で訴えるのではなく、こんな訴え方したら、誤解を招くだけだ。
 暫定税率の影響311億円と声高に主張するが、一方で県民負担150億円の減〈車一台あたり2.7万円〉という情報は隠している。そして、「目の前のリッターあたり25円か、県の未来の311億円か」という、まるでカテゴリーの違い数字を並べて、煽っている。大義を主張するためには、正確に情報を出し、県民も都会の人も、「なるぼど」という合意をつくる努力こそ必要だ。
 県行政がこんなに「前のめり」に、国の制度への意思表示をした記憶がない。三位一体改革でも、農業切り捨てでも、療養病床の廃止でも、高齢者への差別医療の導入でも・・・ つまり政権党の主張の応援でしかないのではないか。こんなことをしているから「地方分権」といっても、政府に足下をみられるのだ。
 ちなみに 地元紙に、昨日の夕刊には、朝日テレビに放送に対し、抗議が未遂におわったコラムが出ていた。半分は正しい。しかし、不要な5万トンバースの建設〈私たちは反対した〉や、そこへ高知インターからまちなかを通って新たな高速をつくることが必要か、・・・反省すべきこと、見直すべきことしないと、誤解を生むだけで、「大義」は全国に届かないと思う

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