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倖田來未発言から見えること

 不適切な発言として、各方面から批判されている。それはそうだか、しかし、ちょっとまてよと思うところがある。人が生まれてくるメカニズム、そしてそれを受け入れる母胎の変化、リスクなど含めきちんと人権としての性について教育を受けた経験がある人がいるだろうか。
 

人権としての性教育に取り組んでいる村瀬幸浩さんは,「日本人にとっての性文化は,貶め,辱め,卑しむものである反面,徹底的におもしろがるといったもの」と扱われてきたと批判し、生命の尊厳、人権としてまともに向き合うことを述べている。その通りだと思う。
 なぜ、月経痛がおきるのかが判れば、そして中絶の母胎に与えるリスクがわかれば、パートナーもやさしくなれるはずだ。生理休暇への理解も広がるはずだ。そしてHIV感染の連鎖についても・・・ その徹底は、男女平等や個人の尊厳を高めることにつながっていく。それを良しとしない発想がある。教育課程の中で、表面的な解説はあっても、肝心の人権と結びついての話がなされてない、権力側は忌避しているとおもう。人権として教えず、乱れたことをもって統制するというのは支配者の常套手段だ。 
 労働問題でもそうだ。労基法の活用方法、労働現場の人権侵害にはどう対処したらいいかとか、たたかって是正した事例の話はされてない。それを「がまんがたりない」とか、「甘やかされて育った」とか、情緒的な話に流し込み、「道徳教育」に解消させようとする。
 中国のことわざだったか? 「水に落ちた犬は叩け」というものがあったと思うが、失敗したもの、弱ったものを叩くような風潮はいかがなものかと思う。本当に叩くべき巨悪は別にあるだろうと思う。
 

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