岩国市長選 忠君愛国の亡霊
橋下・新大阪府知事が、米空母艦載機部隊の移転にかかわり、地方自治のあり方がとわれた山口県岩国市長選に対し、「国政における防衛政策に関して、自治体が法律上の手続きを使って異議をさしはさむべきではない」という、雑ぱくな意見を述べた。これに対し、愛知県の神田知事が「住民投票は民主主義で重要な手段の一つ」「地方として国の方針に納得できないことも当然あり、意思表示することもいいと思う」と述べたことがウェブニュースで紹介されていた。
そもそも橋下氏は、憲法の構造がわかっていない。国をおさめるのは、国民であり、その意思をよりよく反映するために、中央政府と地方政府という二元構造をつくっている。憲法95条で、一自治体にしか適用されない法律は、住民投票で決すべきと規定されているのは、その証しである。
一自治体ではないが、特定の地域にだけで問題となっている米軍基地、原発などは、95条の精神から言えば、住民投票は当然だ。
国と地方の役割分担というのは、国が、軍事・外交を聖域とするためと、生存権の保障の責任をごまかすために持ち出してきた話である。国民主権の立場では、国であろうが、地方自治体であろうが関係ない。同じ目的をもちながら、多様性を吸収し、住民主権をより発展させるために地方政府という構造があるだけである。
「お上にたてつくな」という発想で、「改革」がすすんだことはないと思うが・・・
それにしても岩国。札束で頬をたたくようなやり方に、組みしている人が、教育では「徳育」「道徳」に熱心だというこということを、忘れてはならない。橋下氏も含め、忠君愛国か・・と思ってしまう。
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