清掃工場談合 9年がかりで賠償訴訟へ
12月市議会で、清掃工場談合に伴う損害賠償請求訴訟の予算が経常される。
三菱重工業などの共同企業体が予定価格の99.3%にあたる299億円で落札した事業である。昨年6月、公正取引委員会が、高知市の清掃工場を建設した三菱重工業を含む5社が、1994年から98年9月にかけ、全国の自治体の焼却炉工事87件、1兆1030億円の入札で受注予定者や価格を協議していたと、独占禁止法違反の審決が下った(その審判をめぐり、今、法定が争われている)。この間、全国では、清掃工場建設の談合にかかわり、福岡市では21億円、多磨ニュータウンでは12億円、京都市では11億円の返還の判決がだされている。そうした中で、高知市は弁護士費用も含めて30億円の損害金を求めて訴訟に入るものである。
当時、談合疑惑を黙殺した市や他会派の状況から8年がかりで、ようやくここまできた。
◆出発点 談合疑惑も市も他会派も黙殺
98年、党市議団は、清掃工場建設費299億2500万円の入札契約議案を分析し、談合濃厚と断定し追及。仮契約の留保、議案撤回、議会に対し徹底解明を行う百条委員会の設置を求めていた。しかし、他の会派からは、一言も具体的な指摘と追及はなされなかった。そんな中、更に、公取の立ち入り検査の事実を示し、議会の継続審議とさせた。
当時、全国紙が10月に一面トップで「大手5社中心に18年間談合」と報道。受注調整する「星取り表」の実物も大きく報道され、談合疑惑が極めて濃厚な状況となっていた。しかし、高知市「メーカーに問うたけれど談合はないと言っている」との姿勢で、上記の「協定」(談合認定の場合、契約額の6%以上の返還をする)をもって契約を締結。他会派もこれに追随した。
党市議団は、「入札をしっかり行った岡山市は50%で落札している。入札をやり直せ」「返還額を明記するなら、せめて、通常の最低制限価格である予定価格の80%程度。300億円の20%60億円返還を明記すべき」と主張し、契約に反対した。
◆市が動かぬ中、直接、公取委に審査を申告
その後、12月1日には、高松市の公正取引委員会四国支所に訪れ、高知市発注工事「高知市新清掃工場本体整備工事」をめぐる談合疑惑に関する調査を、入札経過表関連資料を添えて正式に依頼。3日には、公取委からの報告を求めるため、三菱重工業以下、入札参加の「5社」の審査を書面でも申告した。
一方、高知市も事態の進展状況を把握するために四国支所に訪問したようだが、入札経過表等の資料提供などは何もされておらず、公取委の談合疑惑に協力する姿勢に欠ける事がわかった。
◆ 昨年も、メーカーとの返還交渉を申入れ公取委の審判をうけ、昨年7月7日には、市長に対して、清掃工場の談合問題で、「返金協定」の履行をもとめ、申入れを行い、対応した、助役、総務部長は「出来るだけ早い時期に対応策を決め、議会に報告し、メーカーに合う段取りをとる」と答えていた。その後、市は、三菱重工側と折衝をもったが、ラチが開かず今回の訴訟となったものである。
* 三菱重工・・・ 防衛利権でも焦点
このメーカー。守屋逮捕で広がりを見せている防衛利権でもかかわりが深い。「日米平和文化交流協会」の会員企業で、6年間で、受注額は1兆6951億円でトップ、防衛省からの受け入れ38人とトップ。自民党に1億2097億円を献金していること。さらに三菱グループから接待を受けていた額賀財務相が、同グループの推進する「ミサイル防衛」用新型レーダーの導入を防衛庁長官時代に承認していたことも私たちの国会議員の質問で判明している。
税金を食いものにするという点では、同根か? 大企業の横暴を許さない社会が必要だ!
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