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数字・責任範囲・・・萎縮する社会

 高知県の大崎教育長は、学力調査で小学校は平均だが、中学校は全国よりも低いので「土佐の教育改革の風がとどいていなかった」と発言している。12月議会では、ランキングに目くじら建てて「どうするのか」という質問が相次いだ。
 財界の意を伝える「日経新聞」の17日付けに、大阪大学の志水宏吉教授が、自身のイギリスの新自由主義にもとづく教育改革の失敗の見聞もふくめ、興味深い記事を書いている。氏は、「今回見いだされた都道府県間の格差はきわめて小さい」「およそ40年前の調査と比べると、『学力の都道府県格差』は驚くほど縮小している」と指摘し、問題点として、経済的状況が困難なところで、平均回答率が低いことを指摘し、「社会経済的な状況が、子供たちの学力に大きな影響を及ぼしている」と主張している。それゆえ、学校の取り組みの成果を評価するには、そうした地域の経済的要因を考慮に入れないと、努力して無くても評価のいい学校・地域と努力してても評価されない地域・学校が、表面的なことで「レッテル」がはられる危険があると・・・。

そして結論として、学力テストの結果は、必ず独り歩きを始める。結果の公表は、点数による地域や学校の『序列化』を必然的に招き、『できない子の排除』『テスト準備教育のまん延』などの望ましくない事態をもたらすとし、全員をうけらせる学力テストの中止と、平等と参加という(フィンランド型の)教育を提唱している。
 別の角度で、「学びの共同体」の実践で教育実勢で前を開いている佐藤学東大教授は、「数字しか信頼されない社会」に警鐘をならしている。子供が生き生きした、生きる力を身につけた・・・は定量評価できないが、テストの点は評価できる。定量的に評価できるもので実績をあげれば「説明責任」は簡単だ。「テストの点は良くないが素晴らしい力が育っている」と言われて、どううけとめるだろう。たぶん何十年か前は、そういう学校と家庭の信頼関係があったのだろう。だから教師も「人を育てる」ことに集中できたのでと思う。なぜこんなことを書くかといえば、「説明責任の前に公的労働(病院、保育なども運営形態は民間では公的役割を担っている)を萎縮させている」と思うからである。行政も法令のぎりぎりの線で独自の努力して、失敗すれば、責任を問われるので、国の指示の範囲のことしかしない。医療機関は、善意で急患をうけいれて訴訟になったらこまるので拒否する(うちの兄は民間の病院事務長ですが、子供の救急受け入れを停止した。「小児科」を標榜してないのに、子供の急患を受け入れたと「親」に抗議されたからである。消防署は、引き続き受け入れの要請をしてきたが、「善意だけでは責任が持てない時代になった」と断った)
・・そういう負のスパイラルを感じる。大元は政治の貧困だ。そこをきちんとえぐり出さないかぎり、現場で、心をもって頑張ってる人は救われないな、と感じる。
 社会保障、働くルールの貧困な日本の政治の中で、「善意で無理、努力すれば、責任追及される」というあり方を、それを煽り真の責任に向かわないようミスディレェクションしている流れを、きちんと見ないといけない、と思う。
 今日、派遣法違反でグッドウェルが約半年の業務停止となつた。注目すべきは、無党派・若者の労働運動が広がっていることである。数字じゃなく、人と人とが信頼される社会を…そのためには、薬害肝炎訴訟もそうですが、人の尊厳を軽んじるゆがんだ政治をただすたたかいの連帯、広がりしかないと思っている。

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