貧困、負のスパイラル 生活保護引き下げ
日経が「厚生労働省は20日、生活保護額のうち食費など生活扶助額を引き下げる方針を固めた。現在の生活保護の水準が、保護を受けずに働いている勤労層の生活費を上回り、勤労意欲をそぐ恐れがあると判断した。」と報じた。これについては北海道新聞が報じていたが、生活保護の引き下げの影響が広範な分野に及ぶことは、生活保護学習会の内容として少し前に書きました。
年収200万円以下の労働者が1,023万人もいるなど日雇い派遣など非正規雇用の拡大、平均4万円台の国民年金のもと医療や介護の負担増・・・そういう劣悪さ、貧困を拡大しながら、生活保護の基準が高いと、引き下げる。まさに貧困、負のスパイラルである。
民間企業に勤める人の平均給与も9年連続で減少している。一方で、01-06年、大企業の役員報酬は約2倍、配当金は約4倍と膨れ上がっている。そして、財界は、さらなる減税と消費税増税を要望する。
資本論の中の言葉を思い出す。「彼(資本家)の魂は資本の魂である。資本は吸血鬼のように労働の吸収によってのみ活気づく」、「資本は、頭から爪の先まで、あらゆる毛穴から血と汚物を滴らしつつこの世に生まれるのである」-- 貧困のひろがり、肝炎薬害問題、防衛省をめぐる腐敗の構造などをみるにつけ—資本の本性はすこしもかわってない。
工場法をめぐるたたかいのように資本の横暴を抑える国民の運動、反貧困のたたかいの出番である。
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ついに日経にこんな記事が出てしまいました・・・(´・ω・`)
こちらの記事でも扱ったお話です。
ソースはコレ。魚拓はこちら。
生活保護引き下げ・厚労省方針
厚生労働省は20日、生活保護額のうち食費など生活扶助額を引き下げる方針を固めた。現在の生活保護の....... [Read More]
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