総合あんしんセンターは「あんしん」を生むか
先日から地震対策の本を読んでいる。著者の発言は非常に明快。住宅の耐震化、家具の転倒防止。阪神淡路大震災では、家屋の倒壊で地震直後に9割以上の人がなくなったことを観察医の調査などから明らかにしている。同規模の地震が東北で起こっても被害が少なかったのは雪国対応のしっかりした家のつくりにあると述べていた(倒壊しないと、火事の発生率も低く、また救急車両の運行も確保される)。特に関心をもったのは、災害イマジネーション力をどうつけるか、という指摘。
自分の生活環境の中で、おこったらどんな事態になるか・・・学校で地震がおこった。1人の子ども大けがをした。教師はこの子とを助けるべきか、他の子どもの誘導を優先すべきか。健康も思っている人も例えば、高血圧の薬がなくなったら、眼鏡をうしなったら、怪我したら・・・たちまち災害弱者になる。など、そういう自分の身に引き付けた視野をひろげた訓練が大切だ。人間は、想定してないものには対応できないと。
震災の現場では、消防力も役所もほとんど意味をなさない。彼らも被災者だから(1日10時間、役場にいても1週間168時間のうち、50時間。生活の7~8割は役場にいない)。地震対策に精通した友人もそういっていた。きわめてシンプルな話だが、基本をついている話。
そこで市が50億円かけてつくるという総合あんしんセンター。「災害時、今の本庁はもたない。職員があつまる場所が必要」(あつまれるのか、あつまって何をするのか)「医師会と連携することで、災害時医療に対応する」(病院があるわけではない)というのが説明だった。
県警の建物のもある。医療センターもある。どう県、市が連携し役割をはたすのか。県や市の職員が地域でどう役割をはたすのか。もっと具体的につめるべき話があるはず。もっと現場に近いところで、震災対策や消防力とかをどうするのかが大事な話だ。現実と遊離した話と思えてしかたがない。それだけのお金があったら真に有効な対策がとれるのではないか。巨費をどうじて箱者をつくる前に、もっと根本的な議論が必要だと思う。いらないものをつくっても「生かす」ことは不可能だから。
ちなみに、財政問題としても、大きいことはことれまで指摘してきたとうりである。中核市だから保健所がいるというが、今しているように、県の保健所に間借りし運営しててなぜいけないのか。病院も統合、図書館も統合・合築と言ってる時に・・・
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