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2つのプール事故とアウトソーシング

昨日、埼玉県ふじみ野市のプール死亡事故(昨年7月)で、業務上過失致死罪に問われた2名の市職員の初公判が行われた。この事件では、管理業務を請け負った業者は「新任教育をしていないのに実施したとする虚偽の記載」をしたとして略式起訴しされたが、当初から安全管理が十分でなかったプールを委託されたにすぎないと起訴には至らないとした。
いま、高知市は、財政危機を口実に多数の業務をアウトソーシング(外部委託)しようとしているが・・・。どうも安全管理などの責任やそれを徹底しようとすれば本当に効率的になるのか、結局、市民の健康や安全がないがしろにされるのではという危惧がのこる。
今年も、島根県出雲市の「出雲ゆうプラザ」の着水プールで死亡事故が発生した。市内のNPOが指定管理者となり管理をしていた。9月におこなわれた出雲市議会で、これまで施設で起きた事故が93件あったこと、事故当時、十分な監視体制がとられていなかったこと、指定管理者が事故を報告していなかったという協定違反など、次々と重大な事実が報告されている。

ふじみ野市の場合は、請負契約であり、その業務中の事故などについては請負業者が責任を持つというのが旧労働省告示37号で示された派遣業務との違いであるが、契約上、プール開設前の安全点検は含まれていなかったとし業者の責任は問われず、市の安全責任が問われた。(しかし、安全管理・・という結果を請け負った業者・・・それも請負をできるのはそういう専門的な力であることが告示37号の内容だが、その責任を問わないのであれば、請負とはなにか、という根本的な疑問もわく。)
出雲市の場合はどうなるか。指定管理者制度は契約でなく指定という行政処分である。このことにより、使用の許認可などの行政処分(公権力の行使)を条例の範囲で民間が行えることになった。
05年6月、最高裁は、民間機関の行った建築確認(行政処分、公権力の行使にあたる)についての国家賠償責任は、事務の帰属主体である自治体が負うという判断を出した。このことについて、専修大学の晴山一穂教授は“最高裁の論理では、「たとえ民間がやっても確認結果は市に報告され、市は、それをチェックして、違法であれば確認を実質上取り消すことができるという規定が建築基準法にはある。そういう監督権限があるから、市の事務だ」ということ”とのべ、「本当にチェックしようと思ったら、市としては数百枚の構造計算書を一から全部見直さなければならないことになるが、それなら最初からちゃんと確認検査をした方がよいということにもなる」「指定確認検査機関の制度を作ったのは国であって、数枚の報告書でいいという手続も国土交通省の省令で決められたことなのです。こうした状況のもとで市だけが責任を負うとなると、ずさんの審査をした民間会社の責任を免罪することになるのではないか」とのべている。
人の生命や人権をきちんとまもるのが公務の役割だ、きちんとすべきは言うまでもない。法律問題は私の門外漢だが、結局、公務として実施しているものは、それを担うのが民間でどうあれ、公が責任を負うことになるのではないか。
 まかせた民間がきちんとやっているか、報告がきちんとされているか、報告内容にまちがいはないか、まさに徹底して点検、精査しなくてはならなくなる。そういう部門を公務においておかなくてはならなくなる。だったら、はじめからきちんと直営で責任をもつ、というのが筋だろう。
 

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