安心して子育てできる社会を 01年出生児縦断調査
労働にかんする話題のつづき・・・21日に厚労省が第六回「21世紀出世児縦断調査」の結果を発表した。同調査は、01年1月と7月に生まれた子どもがいる同一世帯を対象を毎年実施したもの。
出産、離職、その後、非正規での再雇用というM字カーブ・女性が働きつづけることの難しい状況を示すとともに、子育ての悩みでは子どもが成長するにつれて「出費がかさむ」が増え、今回最多となった。少子化対策にやくだてる調査というなら、働くルールの確立、公的保育や児童手当の抜本的拡充などフランスが少子化対策で成功したように、社会のあり方を変えていく必要がある。子育てと両立できる「多様な働き方」という規制緩和の政策は破綻している。
以下特徴点・・・
◆母の就業状況 有職の割合は5割を超えた
出産1年前に54.5%であった母の「有職」の割合は、第1回調査(出産半年後)で25.1%と減少したが、年々増加して第6回調査では51.4%となり、出産1年前に近づきつつある。
◆就業状況 「パート・アルバイト」の母が増えている。
母の就業状況の変化をみると、「パート・アルバイト」は、第1回調査(出産半年後)(3.7%)から第6回調査(25.8%)まで年々増加している。一方、「常勤」の割合は、第1回調査(出産半年後)以降の変化は少なく、第6回調査では16.5%となっている。
◆「常勤」を続けている割合は約3割。
出産1年前に「常勤」の母の就業状況の変化をみると、第1回調査(出産半年後)で「常勤」は47.6%に減少し、第6回調査では39.9%となっている。 出産1年前に「常勤」の母のうち、第6回調査まで「常勤」を続けている割合は30.9%となっている。
◆子育ての負担や悩み 「出費がかさむ」が最多に。
子どもを育てていて負担に思うことや悩み(複数回答)の変化をみると、「子育てで出費がかさむ」(42.3%)は大幅に増加して第1回調査以降初めて最も多くなり、次いで「自分の自由な時間が持てない」が37.8%となっている
母の就業の有無・帰宅時間別に主な子どもを育てていて負担に思うことや悩みをみると、母が「無職」では、「子育てで出費がかさむ」が44.8%と最も多く、帰宅時間が「午後6時以降」については、「自分の自由な時間が持てない」が43.9%と最も多く、「子育てで出費がかさむ」(36.8%)に続きいている。
◆1か月間の子育て費用(万円単位に四捨五入した金額)
「5千円未満」( 5,000円未満) 0.6%
「1万円」 ( 5,000~14,999円) 4.7%
「2万円」 (15,000~24,999円) 11.3%
「3万円」 (25,000~34,999円) 20.0%
「4万円」 (35,000~44,999円) 22.5%
「5万円」 (45,000~54,999円) 19.7%
「6万円」 (55,000~64,999円) 8.5%
「6.5万円以上」(65,000円以上) 10.5%
こうした状況にあるものの、子どもを育てていてよかったと思うことでは、「子どもの成長によろこびを感じる」が83.2%と引き続き最も高いこと。また、「子どもを通して自分の友人が増えた」は、第1回調査の26.5%から、第6回調査の58.4%に大幅に上昇している。健全というか、ホッとする内容もある。
(本文は厚労省のホームページを見てください。)
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