二大政党制づくりの躓き
親米・財界奉仕の政権を維持するために、財界は多国籍企業への本格的転身をはかりは始めた90年代中頃から「二大政党制」づくりに着手し始めた。むろん、日本共産党の押し込めが目的である。一回目が93年の細川・非自民政権。これは、基本路線で自民党政治の継承を主張した。そして、小選挙区制と政党助成金という二大政党づくりの仕掛けをつくり、二年であっけなく消滅。次が03年、財界を仲人に自由党と民主党が合同。改憲と消費税増税を掲げ、そのスピードと実行力を競い合い、マスコミは「政権交代選挙」と煽った。それと今回の選挙・・・質的に明らかに変化した。財界の思惑からはずれる方向で・・・
構造改革や改憲のスピードで「うちこそ本家」と言っていた民主党が、消費税は上げない、改憲はたなあげなど財界の期待を裏切って勝利した。いや、勝利するためには、みせかけでも「対抗軸」を出さないと受け皿にはなれなかった。ここが面白いところ。さらにテロ特訴措法の延長反対、イラク撤兵まで言い出した。小沢氏はかつて「安全保障を抜きにしたら、国家政策はゼロになる」という趣旨のことを言っていたのに。 今日の毎日新聞に愛知の民主党のルポが載っていた。結論は、政策、組織もいいかげんで、「権力につく」ことだけが民主党の求心力となっていると。ここに明らかに財界がめざした「二大政党制」の躓きがあらわれている。自民党政治のゆぎづまり、そして平和と暮らしの問題でぶれずに主張する日本共産党の存在が、もうひとつの大政党のあり方を変えている。 私は「民主党の社会党化か」と言っている。英米のような二大政党制にはならない・・・英米とちがって確かな革新政党と運動が存在しているから。
一方、続投に固執する安倍首相は、空気がよめないのではない。世間には不評でも、新自由主義路線と改憲という財界の基本戦略をすすめる人物として財界・支配層が押ししているから、「続投」に固執できるのである。それだけ財界と国民の願いは離れているということ。いよいよ面白い激動の事態になった。
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>親米・財界奉仕の政権を維持
>90年代中頃から「二大政党制」づくりに着手
>むろん、日本共産党の押し込めが目的
世界の共産党政権が恐れる『真の民主主義の国』である日本において、財界のみ奉仕の政権が国民の支持を選挙で得ることが出来るでしょうか?
そんなバカな国民でしょうか?
国民が日本共産党に投票するなどという心配を、日本のどの政党もしていないでしょう。
共産党党員の自惚れにも程があります。
共産党の衆議院議員選挙での当選者数です。
86年/26人、90年/16人、93年/15人、96年/26人、00年/20人
イメージでいうのもいい加減にして欲しいです。
定員500人~480人の中で、ずっと20人前後の議員数で来ていたのです。
確かに今は得票率約4%で約2%の議員数ですが。
日本共産党の退潮は、ひとつには共産主義・共産党への幻滅です。
91年、ソビエト社会主義共和国連邦が崩壊して資本主義へ移行しました。
バルト3国はソビエト共産党に長く弾圧されていましたが、同年独立をしました。
その他ソビエト共産党の衛星国といわれたハンガリー・ポーランドなど東欧州の国も80年代後半に次々と民主化されていきました。
共産主義が内在する国民を弾圧するシステムに恐怖を感じているのです。
ソビエト共産党の血の粛清は、2,000万人。
中国共産党の失政・拘束による殺人は、チベット人を数10万~100万人の虐殺・大躍進政策で2~4,000万人・文化大革命で数百万~2,000万人、など色々合わせると1億人が殺されているといわれています。
中国共産党はチベットなど少数民族の地区に漢人を大量に送り込みその民族に子供をはらませ、民族同化政策を盛んに行うなど、人権蹂躙行為を行なっております。
日本の左翼も内ゲバ、爆弾闘争などで100人以上の死者が出ています。
日本共産党においても戦後の一時、武力闘争を標榜している時代がありました。
また共産主義であった中ソは核兵器を争って開発しました。
このように共産主義は決して平和を標榜できる思想ではありません。
日本共産党は、政権を獲った時には軍隊を持つことを宣言しています。
政権維持のため、核装備も躊躇しないのではないでしょうか。
今の日本共産党の政策では、反米・反中国・反資本主義なのですから、周りは敵ばかりです。
核装備をしなければ、不安でしょうがないでしょう。
その日本共産党のどこが
>平和と暮らしの問題でぶれずに主張する日本共産党
>英米とちがって確かな革新政党と運動が存在している
なのでしょうか?
なぜ日本共産党は、中国共産党の弾圧・人権侵害・不正に大きな声を上げないのでしょう。
今現在多くの中国の国民が苦しんでいるんですよ。
Posted by: TADA | August 17, 2007 06:51 PM