国際ルールを守れ!
北朝鮮のミサイル発射。国際ルール違反の暴挙であり、こんなことをしても、孤立を深めるだけである。ここで重要なことは、国際ルール違反だから、ルールを守れと国際世論が一致して迫ることである。そんな中、防衛庁長官や官房長官が、先制攻撃能力に言及したのは、悪のりというか、愚の骨頂である。国際ルールを守れと良いながら、国際ルール違反を公言したわけであるから、大義をなげすて、結局は、それぞれの国の主観で先制攻撃を判断するとしたら、軍事・武力の際限ない対応をエスカレートさせるだけ。
「国際ルールを守れ」のスローガンは、アメリカのイラク戦争にあたっても、世界の共通の言葉となった。「テロとのたたかい」や「民主主義」を語って、先制攻撃する。そのやり方が、世界をいっそう危険にしたことは明白な事実である。その国際ルールやぶりを支持したのが日本政府である。イスラエルの国際ルール違反には、拒否権を乱発して擁護し、世界の圧倒的多数がキューバへの経済制裁に反対しているときに、反政府勢力に資金援助を公言するアメリカの姿がある。
それだけに、「国際ルールを守れ」の言葉で、世界が団結することに意義がある。 今回の事態で、侵略戦争を美化し、アジアで信頼される言葉を持たない日本外交の貧弱さを露呈したし、(共同通信の論説員が、その点をつっこんでいたのは興味深い)マスコミも、ミサイル着弾点をロシア沿岸といわず、政府のいうまま日本海○○キロと発表したのは、いかがなものか。「国際ルールを守れ」というなら日本外交は、その大義、一貫性を、持ち得たのか、先制攻撃発言のもつ意味など検証すべきである。情緒的、表面的報道をくりかえすのみでいいのか、と言いたい。9日、神奈川で原子力空母の配備に反対する3万人の集会を黙殺。いくらスポンサー財界と言えども、政府の御用報道であってはならない。
北朝鮮の無法を許さず、国際ルールを守れの声で包囲するためには、国際ルールを守るということについて、深く考え、一貫した立場ががんばるときにときている。その外交の軸足を憲法九条はしめしていると思う。
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» 敵基地先制攻撃と専守防衛論 [松尾光太郎 de 海馬之玄関BLOG]
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七夕前の花火7連発。北朝鮮のミサイル発射を受けて安全保障論議が活発である。その中でも「日米同盟によって(日本は防御中心、敵基地攻撃は米国との)役割分担があるが、国民を守るために必要なら、独立国として限定的な攻撃能力を持つことは当然だ」「敵ミサイル基地を攻撃できる能力の整備を日本も研究する必要がある」等々の安倍晋三官房長官、額賀福志郎防衛庁長官、麻生太郎外務大臣等の発言は時宜を得たものだと思う。
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