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“血を流す貢献”に現場から九条守れの声

 遅まきながら、最近になって、東チモール、シエラレオネ、アフガニスタンで、武装解除など紛争後の国づくりに現場でたちあっている国連、日本の外務省とも関係の深い伊勢崎賢治氏を知り、氏の「武装解除」という本を読みました。
 彼は、「国際協力で金を出すものが一番えらい」といい、「血を流す貢献がないから世界から評価されない」という俗論をばっさり斬る。その金が、自国や自国の企業の利益のためでなく、九条のかかげる精神にそって使えるように明確に主張すべきだといい(武装解除しないから、発動しないとか…)、自衛隊を海外に送るなら、非武装がモットーの軍事監視団…敵対勢力の約束履行を監視する高度に中立性が必要な部署にこそ、憲法の精神と合致する道があると説く。しかし、日本の外交にはポリシーがない、アメリカいいなりに、役にも立たない実績づくりのための派兵は有害だと―― 本来は、紛争地域の復興のためには、高度な中立性を持つ治安維持の力の援助、そのための資金提供をするために、改憲して自衛隊の役割は、はっきりさせるべきというのが氏の持論だが、そのポリシーがないながでの改憲によいことはない。人道・民主主義を語った不正義のイラク戦争とそれを日本が支持したことで、「人道」も「民主主義」も説得力を失った、復興支援もダメにする。
 だから彼は、現状では、「憲法前文と九条は一言たりとも変えてはならない」と明言する。
 なかなか知り得ない紛争の停止、武装解除と復興支援のあり方…考えさせられ、刺激的な著作でした。
 まさに、国際的視野で、実際の紛争の最前線で活動する氏の言葉は、重い。ついでなから「大本営発表」のような日本のマスコミでは、派兵された自衛隊の活動のチェックもできない、そういう社会のもとでの改憲にも警鐘を鳴らしていると感じました。
 ぜひ、一読を勧めます。講談社の新書、777円です。

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