大学センター試験と機会の平等
大学のセンター試験がはじまりますが、大学の学費は「無料」が世界の常識です。じつは、「高等教育無償の原則」が国際人権規約にありますが、この条項に背を向けているのは世界でたった三カ国。マダガスカル、ルワンダ、日本です。初年度に必要なお金は、パソコンの購入なども含め国立でも100万円ほどかかります。進学をあきらめたり、進学してもバイトづけであったり、親の所得で明確な差があります。「機会の平等」の破壊です。
日本福祉大学の近藤克則先生が「健康格差社会」と言う本を書いていますが、その近藤氏が「努力の結果によって成果が違ってくることを認めるなら、まず機会の平等が保障されなければならない」とし、その前提が健康、再チャレンジできる心身の健全さとしてきし、所得格差が広がっている社会ほど、健康を害する比率が高まるという問題提起をしています。所得格差の広がりが、「機会の平等」を奪っていると。
「結果の平等」が、活力を奪ったと、規制緩和、自由競争をあおる「構造改革」路線ですが、その前提の「機会の平等」さえ、破壊されてきている。「機会の平等を守れ」・・・これは、自由競争を是とする人にとっても、一致できる課題ではないでしょうか。
今日から、国会です。
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