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平和憲法輝く年に

昨年12月、イラクから、ウクライナ、ブルガリアが撤退を完了。ウクライナの撤退規模はスペインの1400人を上回る1650人。韓国とポーランドは駐留一年延長を決めましたが、規模は3700人を2300人、1500人から900人に削減。 イタリアは、昨年9月に続いて、1月300人を削減。そして、ブッシュ大統領は、開戦理由の大量破壊兵器保有についての「情報の大半は間違いだと判明した」「私の決定のいくつかが恐るべき損失をもたらしたことを知っている」と述べざるをなかった。「有志連合」は崩壊の一途をたどっている。
 皮肉なことに、より危険な世界枷生まれ、アメリカが持ちこんだ「民主化」によって、選挙で反米政権ができようとしていることを指摘する声も米国内で出ている。
 そんななか、日本は、ウソで始めたイラク開戦にも「合理的理由があった」と反省していません。アメリカでイラクに派遣された部隊と、治安出動の合同訓練、米軍の再編・強化を、地方の頭ごなしに決定、また、ミサイル迎撃システムを買うための今後4年間に5000億円以上をつぎ込む。日本が配備予定のミサイルは、パトリオットミサイルの改良型だが、パトリオットについては湾岸戦争時に米軍側が「命中率はほぼ100%」と発表していたにもかかわらず、実は命中率は9%かそれ以下でしかなかったことが、1992年の米議会の会計検査院(GAO)の調査で分かっている。 使い物にならないミサイルシステムに血税が投入される。また、ブッシュ政権がすすめる「ミサイル防衛」(MD)の経費を、来年度予算見積もりに、過去最高額の1399億円盛り込んでいる。将来的には1兆円にものぼる負担といわれてるいMDは、相手国の弾道ミサイルを撃ち落とすという宣伝文句だが、ダミーや大気圏突入とともに角度を変えるミサイルにはまったく無力の欠陥商品。軍需産業を肥え太らすだけが目的のもの。
 平和をすすめる外交をすれば、こんな費用はまったくいらない。イラクで孤立するアメリカ。さらに、かつて「裏庭」と言われた南米では、年末にボリビアで、自立と社会的連帯をかかげる左翼政権が誕生、左翼政権は、南米の8割以上に広がった。これらの政権は、全て選挙を通じて誕生している。
 アメリカにつき従い、歴史認識でアジアと対立する日本外交を危惧する声は、政府関係者の中からも出ている。
 外務省OBで小泉首相の補佐官も務めた外交評論家の岡本行夫氏は、「日本の友人はどこにいるんだ?」(外交専門誌『国際問題』昨年十二月号)と嘆き、栗山尚一元駐米大使は、「近隣諸国(具体的には中国、韓国、そして将来は北朝鮮)との和解は、日本外交にとって未解決の重要課題」だとし、「和解」のためには、加害者である日本が「歴史の負の遺産を直視する勇気」と「過去への反省を実際の対外的な行動に反映させる努力」が必要と、戦争博物館・遊就館の展示を示して、批判している(『外交フォーラム』二〇〇六年一月号)。
 昨年は、戦後60年だったが、マスコミの戦争協力を、今日の時点で総括し自己点検する取り組みは、ほとんどなったように思う。マスコミが流す政府の情報だけでは、道を間違う。世界は、「もう一つの世界」を求めて大きく動いている。今年を、平和憲法が輝き、社会的連帯が進む、そういう年にしたいと思う。
  

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