選挙結果を考える
議席の上では、自民党圧勝(与党で衆院3分の2は軽視できないが)。しかし、選挙結果に「雪崩」現象を起こす人為的仕掛けがあるのが小選挙区(一度葬った制度を復活させた旧社会党の土井議長の果たした役割は大きい)。少し、風が違えば、民主党の大勝だってありえたし、そういう制度である。今回で言えば、大局的には、同じ新自由主義の路線の2つの政党の勢力地図が変わったにすぎない(自民党は、より純化したが)。民主党政権になっていれば、最初に、比例定数を80減すことに手をつけることを言っていたので、民主主義の観点から言えば、よかった面もある。
新自由主義路線で、自民党が言えないことも主張し、競い合わせ、時には些末なことで「対決」しているように見せて、財界の支配を安定化させるためにつくられたのが二大政党制。すでに80年代の後半から、財界が主張し、03年の総選挙の前に、財界が仲立ちとなって自由党と民主党が合流した。折角、財界が20年来かけてつくろうとした「二大政党」が、意外な展開になった。64名の議員が減った。政党助成金が、10数億円減る。一人の国会議員に、公設秘書3名に私設秘書数名、300名ほどがリストラにあう。(自民党の秘書に鞍替えする人もいるでしょうが・・・)。しかし、次をねらうなら、全部を解雇するわけにも行かない。年収400万円でも年10億円の規模の負担となる。国民に足場を持つ組織がなく、政党本部の収入の85%を税金でまかなっている民主党が、4年間(たぶん解散はしないでしょう)、財政的にも、組織としてどう維持できるか・・・
郵政民営化の是非を問うというが、比例票は、自民、公明で51%、国民の意思は、小泉・郵政民営化にイエスと出したわけではない。「仕掛け」のために、圧倒的に支持したように見えるだけである。
また、都市部は別にし、高知では、民主党が、マニフェスト、方針と違うことを言わなければ、たたかえないという事(それ自体は、衆愚政治であり、許されない行為であるが)も、民意がどこにあるか、冷静に見ておく必要があると思う。
議席は変わらないが、大衆運動、住民・市民運動の進展には壁がない・・・ 結局、より考え、より行動する国民の中の力を高めることにかかっている。そう言う視点で、より幅広く、より深く共同をすすめていきたい。
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総選挙の結果については冷静な分析が出てきた頃かと思います。しかし、改憲勢力は勢いづき、憲法改悪“国民投票”のゴングが鳴らされたと私は感じています。改憲阻止のためにできることをすべてやっていこうと思います。
Posted by: s-mituru | September 21, 2005 12:46 PM